ニュージーランド(ペンギンに会いたい編③)
ペンギン記事の続き
キュリオベイ、ペンギン・プレイスと、ペンギンの遠さに失望しながらも、我々はまだ諦めてはいない。最後まで…希望を捨てちゃいかん。諦めたらそこで試合終了なのだ。
希望を捨てずに向かった次なるペンギン聖地は「ブッシービーチ」である。
ここは、ペンギンパレードで有名なオアマルブルーペンギンコロニーのすぐ近くにある。
夜にはそこのブルーペンギンコロニーに行くので、それまでブッシービーチでYEPことイエローアイドペンギンを観察する魂胆だ。
日程的に、YEPは最後のチャンス。
とはいえ、ブッシービーチでは、ペンギンが出てくる朝晩、ビーチに下りられない。ビーチの上方、少し離れた位置に設置された観察台から見るしかないのだ。これもペンギンたちを保護するため、仕方のないことではある。
さらに無料。昭和風に言えばロハ、業界人っぽく言えばダーター。
55ドル払って激遠だった例を鑑みれば、タダなのだから、どんなにペンギンが遠くても文句は言えない。
激減しているYEPは、もはや同じ場所で息ができるだけで神々に感謝すべき存在なのかもしれない。
何が「ペンギンがそこら辺を歩いている」だ、夢見させるようなこと言うな!!
そんなわけで、心の某安西先生を無視して、全く期待せずに行ったのだ。
だが。しかし。
なんと、18時半の時点で1羽発見した!
キュリオベイでは21時まで待ってやっと出てきたのに、既にベリーラッキー状態である。
※ 前回記事ペンギン・プレイスのガイドによると、YEPは貴重なので、1羽見れたらベリーラッキー、2羽見れたらベリーベリーラッキーらしい。
しかも、今までで一番近い。双眼鏡を覗けば、頭の黄色い模様もくっきり見える。感動。羽繕いに夢中で一歩も動かないけど、すばらしくかわいい。なんと美しい鳥!!
そうしてペンギンのかわいい仕草をうっとり眺めていると、ふと、ひとつの予想が我々の頭をよぎった。
「これ、あと30分待ったら増えるんじゃね?」
我々は自分の直感を信じ、30分時間を潰した後、再び観察台に戻った。
すると、なんとペンギンが3羽に増えていた。ベリーベリー、ベリーラッキー。
しかも、波打際を泳ぎ回ったり、他のペンギンに駆け寄ったり、2羽でテクテク歩いたり、なんかもう光栄ですアリガトウゴザイマス!
素晴らし過ぎる光景を、この両の目にジュウジュウと焼き付け、ブレブレながらもiPhoneにも記録して、晴れやかな気持ちでそこを後にした。
確かに触れられるほどの近さではない。
しかし、これまででYEPの貴重さは十分理解した。
ブッシービーチのペンギンたちに、私スズキペンよりMVPs(Most Valuable Penguins)を授与したい。