日日是女子日

細かすぎて役に立たない旅行ガイド

移転しようかな。やめよかな。

今年の夏、なんとなくnoteに移行しようかな、と思いついた。別に収益化しようという野望はなく(というかできない)、はてなの記事の途中につくリンクが鬱陶しくなったのだ。

 

そこから気が向いた時に移行作業をしていたのだが、コレがもう、めちゃくちゃ面倒くさい。

 

はてなにはエクスポート機能はあるし、noteにもインポート機能はあるが、インポートしたそのままだと、はてなブログのあのリンクが残ってしまうのだ!アレが嫌で移行しているのに!!

また、なぜかnoteでは改行が増えるのも鬱陶しい。

 

そんなわけで、インポートした記事からリンクを消し、改行を消し…とやっていると、誤字脱字を見つけて直したりしてなかなか進まない。もともとチマチマした作業をコツコツ続けるのは苦手なのだ。

 

なんだか面倒くさくなってきたので、とりあえず完全移行はせずに両方残して、新しい記事をnoteに投稿することにした。

 

ちなみにnoteは以下です。気が向いたらで良いのでフォローしていただけるととても嬉しいです。

スズペン|note

 

クルンテープ(バンコク)、その3(完結)

その2からの続き。

 

5月1日、メーデー
夜中に激しい雷雨の音で目が覚めた。さすが熱帯モンスーン気候、リラックス音源みたいな雨音である。そのまま熟睡し、再び目を覚ますと、雨は止んで鳥がチュンチュン囀っていた。

ホテルの朝食メニューが昨日と違うので、つい目移りしてしまうが腹八分目でグッと我慢する。我々にはこの後食べなければならないものがあるのだ(使命感に拳を握り絞めながら)。

 

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ホテルの朝食。毎日メニューが変わるのは素晴らしいが、前日に美味しかったドーナツがなくなっていたのは残念至極。

 

欲望に打ち勝って腹に余裕を残した我々は、近所のガイヤーン持ち帰り専門店「[https://maps.app.goo.gl/ycDUYZCFVby7yHzZ6?g_st=com.google.maps.preview.copy:title=ガイヤーン・チャプリチャー」に向かう。ガイヤーンは「ガイ=鶏、ヤーン=炙る」の名の通り、タイのローストチキンである。ここのガイヤーンはただ炙るだけでなく、丸鶏の中にニンニクやハーブをぎゅうぎゅうに詰めて焼いてあるのが特徴だ。供する際に、一口大に切って詰めてあったニンニクを上に乗せてくれる。1日100羽限定なので、朝早く行かないと売り切れてしまう。この日、開店時間の9時を少し回ったあたりで店に着いたが、既に半分程度は捌けていた模様。愛想の良いお兄さんに丸鶏1羽と餅米をもらい、袋を捧げ持ってホテルに戻る。

 

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ガイヤーン専門店。看板の陽気な鶏の絵が罪悪感を誘う。(きっとこいつは自分の運命を知らない)

 

徒歩10分程度の距離だが、ホテルに着く頃には汗だくだ。クーラーを強く効かせ、グラスにビールを注いだら、いざガイヤーン

エイヤとかぶりついたガイヤーンは、味が濃くて刺激的。ジャンクな美味しさでビールが進む。ガイヤーンが俺にもっとビールを飲めと囁いている!


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件のガイヤーン。上に載っているのは中に詰められていたニンニク。

 

しかしながら、少し食べ進むと旨みが強過ぎて飽きてくる。腹に余裕はあるのだが、舌が疲れて受け付けない。ポン酢のようなさっぱりした調味料が欲しいところだが、添付の甘ったるいチリソースは何の助けにもならない。頑張ってビールで流し込むも、最後の一口を残してしまった。

 

汗と肉汁でベトベトの体をシャワーで清め、荷造りする。ホテルを変えるのだ。次のホテルはザスコータイバンコク、タイ資本のリゾートである。早期予約で安かったので、クラブラウンジをつけてみた。

 

チェックアウトしてGrabを呼ぶ。朝の天気が嘘のように、空はすっかり晴れてカラッとしている。ひどい渋滞に巻き込まれながら、1時間かけて到着した。ホテルのロビーに行くとAIのような完璧マット肌のタイ美女に出迎えられた。アンミカと麻生久美子を出して2で割って眼光を強くしたようなコワモテ美人である。当たりが柔らかく感じは良いが、どんなクソ客にも当たり負けしない強オーラが見える。ラウンジアクセス付の客専用のレセプションに通されて若い女性にバトンタッチ。感じは良いが、経験が浅そうで少しオドオドしている。チェックアウトは14時とのことである。12時の間違いでは?と疑問に思って確認したが、やはり2pmと言ってくれたから間違いない(フラグ)。

 

部屋に入り、立派な冷蔵庫に入っているミニバーの高級ビールをどかして前のホテルで飲み切れなかったビールを移す。

 

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ベッドは快適。


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ウェルカムの美味しいチョコレート(夫が1本フライングで食べた)


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アロマストーンかな?と思ったら直径5センチくらいの巨大なマカロンだった。ヤギ乳と顔彩を混ぜたような独特の癖がある。

 

立派なベッドでローリングしていると14時。アフタヌーンティータイムである。イソイソとクラブラウンジへ向かい、スコータイティーなる茶をしばく。石鹸臭くて美味しい。


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パンプティングがちょっとチーズっぽいコクがあってうまい。スコーンも出来が良い。クッキーはひたすら甘い。

 

カロリーを摂取したところで、徒歩15分ほどのスーパーに米を買いに行く。昨今米が高いので、海外で米を買って帰る人が増えているらしく、我々も美味しかったライスベリーをお土産にするのだ(しかし残念ながら、タイ出国前にきちんと手続きしなかったせいで無事羽田で没収トされた)。

途中、白人父子が話しかけてきて「ガスワダ」なるものの売り場を聞かれたが、ガスワダが何のことかわからない。アイドンノウ、と答えると残念そうに去っていった。が、ふと横を見るとサンペレグリノが売っており「ガスウォーター、ガス入りの水のことか?」と思いついたが、もはや父子はどこにもいなかった。いや、目の前にあるやんけ。

 

部屋に戻って水浴びしたり、洗面台で洗濯したりしていると、カクテルタイムである。ラウンジに行き、ビュッフェの軽食をつまみながらワインをいただく。グラスの中身が減ってくるとスタッフがワンコそば形式でついでくれる。勧められるがまま時間いっぱい楽しむ。


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ラウンジの素敵なおつまみたち。

 

シメは地下鉄で中華街クイジャップウアンポチャナーへ。ドラえもん柄のパンツを履いた店主にクイジャップ大を2つ注文。白人カップルの女性が露骨に嫌そうな顔をして店内を見渡していたが(男性は気づかずヘラヘラしている)、店内は狭いだけで清潔である。

洗面器みたいな入れ物に入ったクイチャップは、胡椒が効いてとても美味しい!塩気がビシッと効いており、汗をかいた体にちょうど良い。ふと『不思議の国のアリス』にスープの胡椒が効きすぎている云々のシーンがあったことを思い出す。アリス・イン・ワンダーランドならぬ、アタシ・イン・タイランド(だからどうした)。

 

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チャイナタウンの一角。


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クイチャップ。

 

食べ終わって少し歩くと催してきたので有料トイレの世話になり(5バーツ)、自販機(珈琲ルンバ式)でコーヒーを買う。35バーツ。甘さが選べたのでゼロにする。スッキリして美味しい。


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自販機のコーヒー。


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迷惑そうな顔の猫。「こんにちは」と言っても無視するが「サワディーカップ」というとこちらを向く。やはり猫は言葉がわかるのだ。


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ホテルの入り口にも国王。

 

 

5月2日。涅槃仏くらいは見ておくか。

朝は再びクラブラウンジで楽しむ。時間が来たら食事が出てくる。まるでニンゲン用の自動給餌器だ。


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アボカドトースト。美味しい。

 

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噂のクロワッサンはまあまあ。


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ビュッフェは必要十分な品揃え。


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ヨーグルトがとても美味しいのでおかわりした。酸味が穏やかで、固めで乳製品の癖が強い。ちょっと獣臭いというか。

 

窓から外を見ると、プールサイドでは既に人々がデッキテェアに寝そべっている。きちんと深くて気持ちよさそうなプール。水着を持ってくればよかった。

 

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プールサイド。


朝食の後はせっかくだから涅槃仏で有名なワットポーに行く。地下鉄を降りると観光客っぽい見た目の人が皆同じ方向に進むので迷わない。蒸し暑い中たどり着いた本堂は冷房がしっかり効いており、まず一息。キリスト教の国から来たと思われる白人たちが神妙に手を合わせてサッサと去っていくのとは対照的に、東アジア人(中国人に限らず)はスマホをいじったり、車座で談笑したり、なかなかカジュアルである。宗教観の違いなのか、くっきり人種で行動が違って興味深い。

 

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本堂。ピッカピカ。涼しい。


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左端の男性はもしや、先日亡くなったフランシスコ前教皇?(異教徒とも交流するんだな)

 

有名な涅槃仏は本堂とは対角線にある。観光地価格のタイマッサージはスルーし、気持ちいいポーズの像を見たり、王室関連の展示を見たりしながら向かう。

 

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気持ちいいポーズの像

 

ちなみに涅槃仏の周辺はスリが多いそうである。仏教の五戒には不偸盗(盗みを働かないこと)があるが、仏様の目の前で盗みを働くたぁ、罰当たりな輩がいたもんだ。


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噂の涅槃仏。痩せ体型。デカい。


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涅槃仏に気を取られがちになるが、室内の細工も見事である。


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有名な螺鈿細工の足裏。動物たちの絵がかわいい。

 

ぐるりと仏様の背中側に回り込むと108個の鉢がズラリと並んでいる。それぞれの鉢にコインを入れていくことで煩悩が消えるとのことだ。25サタンコイン一山20バーツで引き換えられる。108枚入とすると、25×108=2,700サタン=27バーツなので鉢に入れずに懐に入れれば7バーツの儲けになるが、誰もそんなことはしていない。鉢のサタン硬貨は後に回収して交換所に戻しているだろうから結局は寺側が20バーツ儲かる仕組みである。徳の低いサタン硬貨は鉢と交換所で輪廻転生を繰り返し、徳を詰んだバーツが解脱して涅槃に至るのである。

 

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件の輪廻転生システム。


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ドラを叩いたら寄付するようにとのこと。(こう、チマチマ金取ろうとしてくるんだよな)

 

敷地内の土産物屋を覗くと、手相占いをやっている。外国人観光客にはGoogle翻訳を使って相手をしていたのが何か釈然としない。テクノロジーが進化しても、人は迷信に縋るものか。


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ここの飼い猫か。色々なところに猫用のエサ皿や水入れがあった。


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こんなやつ、もののけ姫に出ていなかったかしら?

 


昼はチャイナタウンに移動して、和成豊で飲茶。飲茶はセントラルキッチンぽい味がした。暑さで少し気分が悪くなったので、ヤードムを深く吸い込むとスッキリした。このスースー感が癖になる。

 

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飲茶。カップはプラスチック。


飲茶屋を出てタイポストで絵葉書を自分宛に出す。55バーツ。ちなみに自宅には5/13に届いた。

 

途中シーロム駅で降りてショッピングモールを冷やかす。通路ではタイっぽい柄の服のバーゲンセールが行われており、現地人がスルーする中、白人たちが真剣に物色していた。私も感化されてちょっとだけ欲しくなり、カラフルな象がニコニコ笑っているバカっぽい柄のパンツに一目惚れしてしまったが、あんまりタイっぽくない柄だし馬鹿馬鹿しくなってやめた。(後になってやっぱり「ニコニコ象さん」のパンツが欲しくなり、翌日行ってみたがセール会場そのものが煙のように消えていた)

 

ホテルに戻ってシャワーを浴び、ニンゲン自動給餌器ことクラブラウンジでアフタヌーンティーを楽しむ。

 

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カロリー補給。

 

アフタヌーンティーの後、部屋でテレビをつける杜カオジロガンの特集がやっていた。ニューデリーでも見たのと同じ番組だ。ネタバレして申し訳ないが、3羽のフワフワかわいい雛のうち2羽が死ぬ。悲しい、悲しすぎる。

 

カクテルタイムでメートルを上げた後、街に出てガイヤーンユックガオ。ここの料理は全然甘くない。トイレは2階。床も乾いているしJRの駅トイレよりもよほど綺麗である。

 

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シンハー。氷入りのビールって盛り上がるよね。


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餅米を焼いたカオジーは、五平餅みたいで美味しい。


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ガイヤーン。ちょうど良い辛さ。


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ソムタム(青パパイヤのサラダ)は本気の辛さ。私は一口食べてギブアップ。


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夜遊び猫さん。

 

 

5月3日、最終日

ラウンジで朝食を物色していると、焦臭い匂いが漂ってきた。イギリス人と思われるご老人が焦げたロールパンを皿に乗せて「バターはどこじゃね?」と独り言を言いながらウロウロしていた(すかさずスタッフが「こちらにございます!」とご案内。さすがは高級ホテル)。その後も別の推定イギリス人がパンを焦がしていたが、英国人はよほど「よく焼き」がお好きらしい。

 

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今日も今日とてニンゲン自動給餌器。


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サーモンベーグルサンドが想像以上のボリュームだったが、美味しかったので完食。


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うっかり麺まで頼んでしまったが、美味しかったので完食。

 

朝食を済ますと部屋に戻って荷造りを始める。2人で中型のスーツケース1つなので、量は大したことはない。しかし、帰りは夫と別ルート(スーツケースは夫が運ぶ)なので、少し注意が必要だ。例えば5月なので日本はまだ上着がいる気温だが、スーツケースに入れず手荷物にする必要がある。ホテルを出て自宅に着くまでの流れをシミュレーションしながら、手持ちのカバンと預け入れのスーツケースに分けていく。

と、12時過ぎにフロントから電話がかかってきた。「チェックアウト時間を過ぎているので早く出てください」と。チェックイン時に2時と言われたことを説明して、最短で出てくれれば良いことにしてもらった。

 

ホテルをチェックアウトし、シロームのモールのマッサージ屋で時間を潰してから空港に向かう。エアポートレイルリンクが日本の通勤ラッシュ並みの混雑である。暑い国でみんな汗をかいているはずなのに車内はニンゲンの匂いがほとんどしない。タイ人は日に何度もシャワーを浴びるという、その習慣のおかげなのか、老若男女無臭だった。

 

帰りの便は、私がバンコクー(シンガポール航空)ーシンガポールー(ANA)ー成田、夫がバンコクー(シンガポール航空)ーシンガポールー(シンガポール航空)ー香港ー(ANA)ー羽田、シンガポールから先が別ルートである。何か問題があるのか、グラウンドスタッフがチケットを発行してチェックして破り、再度発行して破り…と繰り返す。しばらく考え込んだ後、どこかに電話をすると、真っ直ぐな長い髪を垂らしたベテランスタッフのお出ましである。どことなく女装したロバート秋山みたいな雰囲気である。グラウンドスタッフに指示を出し、腕を組んでじっと見守る。ロバート。

ロバートのおかげで無事チケットも発行され、
ファーストトラックでセキュリティチェックを抜けて出国した。

 

バンコク。悪くはないけど、私はあと20年くらいは行かなくていいかな。

 

 

おまけ。

バンコクエスカレーターのスピードが速い。せっかちな私にはこのくらいのスピードが快適である。日本のエスカレーターは倍くらい速くて良いと思う。

クルンテープ(バンコク)、その2

その1の続き。

 

4月30日、バンコク2日目

昨晩オヤツ程度しか食べていないせいで、空腹で目が覚める。

ホテルの朝食はチャオプラヤ川ビューのカフェである。シックで洒落たインテリアに、料理の種類も多く目にも華やか。00年代にHanakoあたりが「中目黒のカフェでヘルシー朝食」みたいな特集で取り上げてそうな雰囲気である(偏見)。目黒川は汚いイメージがあるが、チャオプラヤ川もなかなかである。「味付けが甘いけど、まあまあだな」などと偉そうに批評しながら、しっかり腹10分目まで食べる(気に入ったら腹12分目まで食べるタイプです)。

 

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ドーナツがモサモサなのだが、妙に美味しかった。タイミルクティーは歯が溶けるほど甘かった。

 

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チャオプラヤ川(写ってないところにゴミが溜まっている)。日差しが強い。

 

 

朝食後は船で対岸に渡り、バンコク国立博物館に向かう。渡し船には切符やトークンなどはなく、対岸でニコニコ現金払い。

 

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運行時間


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料金表。場違いに可愛らしいデザイン。

 

バンコク国立博物館では毎週水曜、木曜に日本語ボランティアがガイドツアーを開催しており、これがもう、すこぶる評判が良い。日本で「このクオリティで無料で良いのか」「むしろお金を払わせていただきたいレベル」などというレビューを目にしていた。外すわけにはいかない。

 

希望者はチケットを購入の上、チケット売り場横に9時25分集合(予約不要)。ガイドの方がわかりやすくボードを持って立っている。他に英語、ドイツ語、フランス語のガイドがいた。

 

ツアーは果たして評判通りの素晴らしさであった。タイ史の要点をA4用紙1枚にすっきりまとめたプリントが配られ、概要を説明してくれた上で、重要な展示品に絞って説明してくれる。効率が良い。今回のガイドは日本人女性3人だが、他にも大勢いるようである。長期間勉強を重ねてようやくガイドになれるらしいのだが、その上でボランティアグループでブラッシュアップを重ねてきたという説明用の台本を使用するのである。ガイド個人の力量による当たり外れがないからこそ、どのレビューも高評価なのであろう。すごい組織的。

その他、修復で非公開の壁画はプリントアウトした写真を見せてくれるし、仏教用語など耳で聞いただけでは理解しづらい語は大きく文字を印刷した紙を掲げるなど、とにかく理解させるための準備と工夫がものすごい。要所要所でクイズまで出してくれて記憶の定着もバッチリ。今ならタイの歴史のテストで80点くらい取れそうである(ダニング・クルーガー効果)。ぜひ授業料を払わせていただきたい。


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どう見ても牛なのだが、鹿だそう。


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中央の乗り物は「架空の生き物」とのこと。後で調べるとアナンタという竜らしい。


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ガイド一押し、ビシュヌ神。高さに均整の取れた美しい立ち姿である。


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影が美しい。言われなければ見過ごしてしまうが、ガイドはこんな隠れた見どころまで教えてくれるのだ。

 

そういえば、象牙製の象乗り用の鞍なんていう珍しいお宝もあった(細工の素晴らしさに感心して写真を撮り忘れた)。動物愛護団体が見たら発狂しそうだが、流石に「もう二度と作れない」とのことである。

 

ガイドたちの周到な段取りに加え、参加者同士の日本人社会的同調圧力(ツアーの邪魔をして時間を引き延ばしたら絶対許さないぞ的な)もあり、ツアーは予定時刻5分前に終了した。最後まで完璧である。

 

本当に素晴らしいツアーだったのだが、臍曲がりで下世話な私は、彼女たちがガイドになった経緯に思いを馳せずにいられない。コミュニケーションに長け、美人で頭も良さそうで(学生時代は教師にも気に入られていたに違いない)、その上きちんと努力できる人間が一体どれほどいるというのだろう。そんなレアなシゴデキ女性が、なぜここだけにこんなに集まっているのか気になるのだ。

私の予想では、商社マンの夫のタイ駐在のために退職または休職せざるを得なかった妻たちである。帯同家族ビザでは就業許可が下りないので、子どもが学校に行っている間だけボランティアで能力を遺憾なく発揮しているのである。人によっては夫の上司の奥様に誘われて渋々、というケースもあるのかもしれない。何にしろ、金をもらわなきゃ働きたくない(しばしば金をもらってすら働きたくない)私のような人間とはきっと前世から徳の積み方が違う方々である。まあ私の勝手な当て推理だが。

 

ガイドツアーの詳細は公式Facebookに詳しい。(InstagramもあるがらFacebookの方が情報量が多い)

とにかく全旅行者にぜひおすすめしたい。


終了後、ガイドツアーで省略された展示(地味なものが多い)をサラッと見て回り、大満足して博物館を出た。

 

余談だが、途中すれ違ったフランス語ガイドは日本語ガイドと全くスタイルが異なっていて興味深かった。まず1人である。そして台本がない。いかにも「東洋美術沼に首まで浸かってます」みたいな、タイっぽい柄の服を着た女性が持てる知識を熱く長く語っている。属人化してそうだ。とはいえ、かの国は平和の祭典で意気揚々と王妃の生首演出をやるような国だから、中には王族を神格化することに反発する人もいるであろうし、仏教の話もピンと来ない人もいるだろう。組織力で一定のクオリティを保つより、個人の臨機応変な対応が求められそうな気はしないでもない。客層によってそれぞれ適性が異なるのだ(知らんけど)。

 

博物館を出ると、再び船に乗り対岸に戻る。船では伝統的な縦笛(多分)を吹いている男がいたのだが、音色はエンジン音でかき消されてわからなかった。真っ暗な煙が勢いよく噴き出ており、そういえばバンコク滞在中は手の水かき部分にいつもカーボンが溜まっていた。

 

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船内に貼ってあった謎の犬シール。かわいい。

 

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船を降りて歩いていたら突然エンカウントした立派なニワトリ。


昼ごはんはホテル近くで評判の良い麺屋さん、黄記飯店。辛さが選べるので、私はless spicy、夫はstandard spicyにした。出てきた料理はいずれもメニュー写真とだいぶ見た目が違うが、深く考えないことにする。それよりも辛さを抑えたせいか、味付けが甘いのが気になる。

 

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豚。パサパサしている。


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ガイラン。味付けが甘い。


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シーフードの麺(standard spicy)、そんなに辛くない。


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チャーシュー麺(less spicy)、甘さが気になる。

 

 

一度ホテルに戻ってシャワーを浴びて一休み。風呂上がりにはもちろんビールである。

まだ時間も早いし、もう少し船に乗りたいので、チャオプラヤエクスプレスで大規模ショッピングモール「アイコンサイアム」に行くことにした。

 

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船に乗る前に屋台で買ったサトウキビジュース。意外と甘さスッキリ。

 

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船から見たワットアルン。これで満足したのでワットアルンには行かなかった。


アイコンサイアムは大規模で新しいショッピングモールである。高島屋ニトリも入っている、日本人駐在員ファミリーにとっては駆け込み寺的な存在に違いない。我々は特にこれといって欲しいものもないので、ひとまず下から順に冷やかして歩く。

ドラッグストアでタイ名物「ヤードム」を入手。メントールの香りでリフレッシュする薬で、リップクリームを細くしたような鼻に突っ込みやすい形状をしている。BLACKPINKのLISAちゃんが紹介していて、バンコクに来たら買おうと思っていたのだ。さっそく鼻に突っ込んでズオーっと吸い込む。鼻の奥までスースーして気持ちいい。

レストランフロアには香港のガチョウのローストのお店「 甘牌焼鵝 」のフランチャイズ店があった。よく見ると店名は「甘牌焼味」であり、入手できないのかガチョウは一切出していない。香港ではいつも気が遠くなるほど行列しているのだが、ここでは客は年の離れた男女一組のみ。ただならぬ雰囲気で何事かを真剣に話し合っており、あまり箸が進んでいなかった。単に美味しくないだけかもしれないが。

 

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北海道のアンテナショップに置いてあったが、北海道には野生のペンギンはいない。きっと旭山動物園のペンギンだな。


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モール内観。バンコクに限らず、万国どこでもモールは吹き抜けである。

 

そうこうしているうちに17時。酒類の提供が許可される時間である。6階にあるルーフトップバー(なのか?)、Höbsで軽く引っかけて帰ることにする。せっかくなのでタイのクラフトビールメーカー、Mardi Craft社のIPA、サワーエール、ペールエールを試したが、どれもスッキリと軽く、蒸し暑い気候に最適な美味しさだ。生暖かい風も気持ち良い。やはりビール。ビールこそ至高である。飲んだそばからアルコールが揮発していく。いくらでも飲めそうだ。

 

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Mardi CraftのM32 IPA。その他ペールエールとサワーエールを注文。ペールエールが出色の出来。

 

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夕暮れのチャオプラヤ川

 

この日の夜ごはんはホテル近くで評判の良いヴィーガン料理店Vegan Mahanakhonである。我々の他にはインド人の大家族と、ロシア人っぽい白人夫婦。スリッパに履き替えて入店する。どれも美味しかったと思うが、あまり印象に残っていない。こちらも全体的に味付けが甘いのが気になった。

 

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前菜盛り合わせ。美味しかった記憶はある。


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グネモンなる葉っぱの炒め物。初グネモンは、案外普通の青菜。


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ナス。これも甘かった気がする。


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デザートのマンゴースティッキーライス。そういえば食事もコレと同じくらいの甘さだった。

 

バンコクで意外だったのは、何を食べても甘いことである。辛さより、甘さが辛い(読み:からさより、あまさがつらい)。夫は20年前にもタイに来たことがあるそうだが、当時はここまで何でも甘くはなかったということだ。

どうも、タイは経済発展に伴い砂糖消費量が激増しており、なんと日本人の3倍も消費しているらしい。糖尿病が国民病となっており、砂糖税が導入されているとか。そういえば、街には足の不自由な人と盲目の人が多い。根拠のないただのカンだが、糖尿病の治療が不十分で足が壊疽したり、失明したのかもしれない。とにかく料理が甘くて舌が疲れる。甘いものは時々食べるから良いのだ。そして、料理の味は時代とともに変わるのである。

 

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話は変わるが、ホテルロビーが洒落ている。


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ホテルのプールも洒落ている。(かなり塩素臭いが)

 

続く。

クルンテープ(バンコク)、その1

この5月の連休は、 クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシットに行ってきた。

 

……つまりはバンコク。実は初めてのタイである。(何度かスワンナプーム空港で飛行機を乗り継いだことはあるが、そんなもん行ったとは言えない。)

 

皆「タイは食べ物が美味しい」と言うので、多少興味がないでもなかったが、あいにく辛いものが苦手なのである。エビや鶏肉、トロピカルフルーツも好き好んでは食べないし、そもそも暑いところが大の苦手だし、今ひとつ食指が伸びないのである。

 

そんな人間が何故バンコクに行ったのか。

特典航空券の空きがあったからだ。しかもビジネスクラス。まあ行ってみて気に入ったらラッキーだし、気に入らなくても少なくともビジネスクラスは楽しめる。何より懐が痛まないのが素晴らしい(ケチなもんで)。

 

 

4月28日、出発日

4月28日は「象の日」らしい。奇しくもタイは象の形をしているから、タイの日と言っても過言でない(バンコクに到着するのは翌日なのだが)。

 

仕事を半ドン(昭和)で切り上げ、家でシャワーを浴びて颯爽と成田に向かう。道中、電子入国カードを申請すると、性別はfemale、male、undefinedの3つから選択できる。さすがはLGBT先進国。なんと、タイには性自認や恋愛対象によって性別が18種類もあるらしい。

 

成田にはちょうどEVA航空カウンターのオープン時間に到着した。チェックインして、セキュリティチェックの長い行列を尻目にゴールドトラックでスルッと制限区域内に入る。快適である。時間も余っているし、いざラウンジをホッピングしよう。

 

まずはユナイテッド航空から。個人的にユナイテッドのラウンジは結構好きだ。食事は気が利いていて美味しいし、日系にはない大雑把さもたまらない。トイレの個室が10室中2室も故障してたり、それでトイレから戻ると窓のサンシェードまで故障してたりしてね。不便さも非日常なら愉快である。

 

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生ビールはアサヒ。湿度も高いし、スーパードライで極度乾燥(したい)。

 

カレーはビーフベジタリアンキーマ、ごはんの炊き方がアルデンテ並にバリカタなのが個人的に至高。照明は薄暗く、白人様もニッコリである。

 

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コールドカットが美味しい。

 


ユナイテッドを満喫した後は、新しくできたターキッシュエアラインズのラウンジへ移動する。受付のお姉様方(シニア世代)の応対が丁寧かつ高速で、只者ではないオーラを漂わせている。外国の航空会社の地上職員が有能なのはあるあるだ。きっと新卒主義じゃないから、日系航空会社を引退したお姉様たちの活躍の場なんじゃないかな(偏見)。

 

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ターキッシュエアラインズのラウンジ入り口

 

窓側の席を取ってエサを漁る。フムス、レンズ豆のスープ、ライスプディング、ブルグラピラフ、トルコ風ピザ、ロクム、あとは「ちんすこう」みたいなクッキー。欲望の赴くまま食べまくり、搭乗前に満腹になってしまった。この後機内食も食べなければならないのに!理性を失ってしまった。

 

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窓から外を見たらフライングホヌ!(ANAさん、フライングペンギンも作ってください。)

 

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映えないが、味は良い。(映えと味は反比例する説を推したい)

 


腹も膨れたところでゲートに移動し搭乗開始。EVA航空のビジネスクラスは初めてだ。担当CAは蓮舫を若くして角を削ったようなショートカット美女。Rの巻きの強い、少し癖のある英語をなんとか聞き取り、ウェルカムドリンクのパイナップルジュースを注文する。一口飲むと、果肉が入ってとろりとしている。甘酸っぱくてとっても美味しい!全然えぐみがなくジューシーで、まさに台湾のパイナップルのあの味だ。そういえばエコノミークラスでは見たことがない。富豪の飲みもの。ありがたや。

 

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パイナップルジュース。ジョッキで飲みたい。

 

離陸してしばらく経ち、シートベルト着用サインが消えると、いよいよお待ちかねの機内食タイム。わざわざネットで事前予約までしていたのだ、ちょっとくらい満腹でも完食する所存也!!

 

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鼎泰豊に惹かれてChinese Cuisineを選択

 

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機内食。左下が鼎泰豊のワンタン。少し辛いけど美味しい。


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牛筋っぽい部位のスープ。いいダシが出ている。


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食後のデザート。小麦粉のもそっとした皮に中身は胡麻あん(好き)

 

 

iPhoneにダウンロードしておいたドラマ(デビルズ・アワー)を観たり、腹ごなしにトイレまでお散歩したりしているうちに、あっという間に桃園空港ターミナル2に到着した。やはりビジネスクラスは楽々である。

 

時刻は0時前。バンコク行きの乗り継ぎ便の搭乗時刻、7時過ぎまで時間を潰さなければならない。ターミナル2 のEVA航空ラウンジは既に閉まっているので、ターミナル1に移動して24時間営業のプラザプレミアムのラウンジに向かうこととする。

 

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空港内マップ。左下にある「心霊広場」が、日本語話者的にはちょっと怖い。


ターミナルを移動してラウンジに着くまでは徒歩15分くらいだろうか。待合スペースや、通路のベンチ寝ている人も多い。固いベンチでも快適に寝られるよう、皆寝袋や毛布を持ち込んでいる。サンリオのファンシーなベンチにも、古い毛布に包まって泥のように眠るオジサンがいた。キティさんは「イメージが崩れるのでピンク色の毛布を使ってください」など高飛車なことは言わないのである。

 

ラウンジは混み合っており、数少ない空席を見つけると、ソファの食べカスを払い落として座る。ラウンジ外のベンチの方が清潔かもしれない。暇を潰そうにも頭が働かないし、とても眠いのだが妙に目が冴えて全然寝付けない。


いい加減うんざりしてきたあたりでEVA航空ラウンジのオープン時間になった。いそいそとターミナル移動し、EVAラウンジに入るとまずはとにかくシャワーである。シャワー室は広くて快適で、シャンプーなどはロクシタン。温かいシャワーでさっぱりしたら、神経がすーっと落ち着いた。温かい豆乳を飲んだら少しだけ仮眠できた。

 

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酒類のラインナップはこんな感じ。

 

 

4月29日、バンコクへ移動
台北からバンコクまでは夫と別便である。ここでもパイナップルジュースを頼む。飲み物を聞かれて食い気味で「パイナップルジュース」と回答したからか、何かを察してグラスになみなみと注いでくれた。

 

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ビールとトマトジュースでセルフレッドアイ

 

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機内食はお粥

 

優先レーンで入国審査した後、先に着いてきた夫と合流。Grabを呼んでホテルに移動する。Grab乗り場を見ていると、白人とインド人が多く、ロシア人も多い気がした。ちなみにタイはロシア人がビザなしで来れる数少ない国の一つらしい。

 

我々の車はBYD。エアコン操作などは全てタッチパネルでハイテクである。ホテルに向かう間、予想外にトゥクトゥクは全然見なかった。見た感じはもはや先進国の道路とそれほど変わらない。

 

ホテルはチャオプラヤ川沿いの「Theatre Residence」。チェックインして荷物を置き、近くのワンラン市場をうろつく。活気があるのに全体的におっとり、のんびりとしている。コレが微笑みの国なのか。屋台の食べ物も美味しそうなのだが、蒸し暑くて全く食欲が湧かない。

 

こんな時こそビールがあれば万事解決、とエアコンの効いたセブンイレブンへ入ると、うっかり酒類の販売禁止時間である。すっかり忘れていたが、タイでは11~14時と17~24時しか酒類の販売が許可されていない。すごすごと外に出ると、白い野良犬がドアから漏れるエアコンのおこぼれで涼んでいた。お犬様だって暑いのだ。

ホテルに戻ってシャワーを軽く浴び、ベッドに横になったら眠り込んでしまった。

 

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ホテルの部屋。シンプルでとても居心地が良い。

 

目を覚ますと23時。もう周りの飲食店は閉まっている。何はともあれビールを買いにセブンイレブンに向かう。気温は高いものの、昼間よりはだいぶ歩きやすい。大きな寺院の近くだからか、遅い時間でも治安が悪い感じはしない。途中、猫の喧嘩を見かけたが、日本の猫よりも心なしか野生的な動きであった(プーマのロゴマークみたいな動きをしていた)。

 

購入したビールは3種(シンハー、レオ、チャーンのコールドブリュー)。個人的にはシンハー一強という感じだが、タイで一番人気があるのはレオらしい。

 

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左からチャーン、レオ、シンハー


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おつまみその1はミヤンカム味のポテトチップス。個人的には甘すぎる。

 

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おつまみその2はピーナツ小魚。スパイシーと書いてあるが、チリ部分を食べなければ全く辛くない。日本のアーモンド小魚のような味。

 

合わせて買ったコンビニ弁当2種類が意外な美味しさであった。空腹だけが理由ではないと思う。ほうれん草入りのホットサンドも悪くない。ただのコンビニ飯のあまりの出来の良さに「タイは食べ物がおいしい、とはこういうことか」と納得しながら夜は更けていった。

 

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お弁当。黒米がとても美味い。ライスベリーという新しい品種らしい。

 

続く。

 

 

オーストリア・ドイツ旅行、ドイツ編③ (完結)

ドイツ編②からの続き。

 


1月3日、フランクフルトへ移動

まだ暗い中(といっても朝7時過ぎ)、ホテルをチェックアウトし、最終目的地フランクフルトに向かう。ニュルンベルク駅構内をぐるりと回って、最もビビッと来たパン屋で朝ごはんを入手した。Hofpfistereiという店で、ミュンヘンのチェーンらしい。大きなプレッツェルとケシの実をまぶしたパンを買ったら、スライスのパンをおまけしてくれた。前日の売れ残りと思われるが、ありがたい。

 

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もう7時過ぎなのに、この暗さ。

 

空腹に耐えきれず、立ったままムシャムシャとプレッツェルを食べていたら、怪しげなオジサンに話しかけられた。何を言っているのかはわからないが、関わらないが吉。モグモグしながら立ち去った。プレッツェルに気を取られて油断していたが、用もなくただ立っていると隙を与えるので、時間まで駅構内を歩き回るのがよかろう。途中ホットチョコレートを買うか迷ったが、片手が塞がるとスーツケース(私史上最大重量)を引くのも大変になるので諦める。

 

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特大プレッツェル。けっこう塩がついている。

 

ホームに上がると8時前なのにまだ暗い。フードを目深に被り、震えながら遅れている電車を待つ。夫が喫煙所に行っている間、興味深い何かを観察していた記憶だけはあるのだが、それが何だったか全く思い出せない。レーゲンスブルク然り、どうやら私の頭は寒いと記憶能力が働かなくなるらしい。

 

ようやく到着した電車に乗り込み、しばらくすると空が白んできた。ドイツの田舎を車窓に見つつ、ケシのパンにハムを挟み、ラドラーとともに優雅な朝食を楽しんだ。ちなみにハムは大晦日にスーパーで買って結局食べなかったもの、ラドラーもニュルンベルク滞在中のどこかのタイミングでスーパーで買ったものである。旅行中でも食糧の備蓄は大事だな。

 

 

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優雅な朝ごはん


フランクフルトには10時過ぎに到着した。 朝からビールを飲んでいる幸せそうなオジサンはどこにもいない。もうみんな仕事が始まっているのだ。中世の雰囲気残る◯◯ベルク三都市を巡った後に訪れると、なぜか東京に似ていると思ってしまう。普通に近代的な都市である。

 

ひとまずホテルに荷物を預けようとトラムに乗っていると、ちょうど降りる直前で係員が検札が回ってきた。ドアが開く直前だったが、しっかりと切符を係員に見せつけて降車。こちとらきちんと金払って乗っているのだ、「買ってないから降りて逃げた」のようなあらぬ疑いを受けたら堪らない。


ホテルは真新しいMelia Frankfurt City、ゼンケンベルク自然史博物館のすぐ近くにある新しいホテルである。ここのホテルを取った理由は、①自然史博物館に近い、②新しいのでトコジラミのリスクが低い、の2点である。フロントで荷物を預け、いざゼンケンベルク。

 

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恐竜が目印、ゼンケンベルク自然史博物館外観

 

フランクフルトに行くことが決まってから、絶対に行きたいと思っていた博物館である。自然史博物館だとか科学技術博物館の類は低クオリティであっても味わいがあるが、本館はまさにまさしく期待通りの素晴らしい博物館であった。展示も老若男女知識の有無を問わずに楽しめる工夫がしてある。学研育ちの理科オタクなら、ナントカ大聖堂だのナントカ広場よりもゼンケンベルクである。ただ、冷静に思い出すと、ここもウイーン同様、石っぽいものは多かった。特に鉱物コーナーは、規模こそウイーンに劣るものの子どもから大人まで大人気である。

 

そして、やはり剥製の出来と保存状態が恐ろしく素晴らしい。今にも動き出しそう、というより、動いていないことに違和感を覚える。動物愛護の観点から、そして一応仏教式の葬送儀礼を行う民族として、無用な殺生には抵抗がありつつ、出来の良い剥製には抗い難い魅力がある。

 

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カピバラを食べるアナコンダの剥製ほど、どうやって作ったのか気になるものもそうはあるまい。

 

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ライオンの剥製はオスメス合わせて寄贈1913年とのこと。


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100年以上前に作られてこの保存状態である。

 

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色褪せパンダ。 あと100年も保管したらシロクマになりそう。

 

そして、膨大な鳥コレクションも見どころの一つ。科博の鳥展ではギュウギュウの人混みに辟易したのだが、ここの混雑具合は乗車率で言えば50%程度だろうか。しかも、鳥展が600種で「一生分の鳥が見られる」と喧伝していたところ、ゼンケンベルクはドイツクオリティの素晴らしい剥製が832種1,106標本。いわば1.4生分の鳥である。親指ほどの小鳥ですら素晴らしい出来栄えである。


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崖から決死の覚悟で飛び降りるヒナで有名な、カオジロガン。

 

剥製と言って良いのか、始祖鳥やドードーを復元したモデル?があったが、こちらも素晴らしい出来栄えである。そして、ドードーの斜向かいには元祖ペンギンことオオウミガラスもいる。オオウミガラスは個体数が激減し標本価格が高騰したため、愚かな人類が競い合って狩ったために絶滅してしまった種である。 展示では本物か模造品かは明確にしていなかったが、もし本物であれば複雑な気持ちになる。

 

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始祖鳥。何の鳥の羽を使っているのだろうか。


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ドードー。


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オオウミガラスの骨格標本と剥製。こっちのペンギンも「実は足が長い」ことがわかって感動。

 

昼は街中でハンバーガー(Googleマップ)。ドイツでもハンバーガーをナイフとフォークで食べるのか確認したかったのだ。バンズが選べたのでブリオッシュを選択(パンが選べるならブリオッシュを食べれば良いじゃない!と夫に言ってダダ滑りした)。

果たしてドイツでも白人はナイフとフォークで食べている。綺麗な形を保ったまま食べられるので合理的だとは思うが、手で掴んでワシワシ食べた方が美味しい気もする。ただ、これは単に私が世代的に「『私のあしながおじさん』でジュリアがホットドッグを生まれて初めて手づかみで食べて感動する」回の影響を強く受けているだけなので、ナイフとフォークの使用は否定しない。

ちなみにここでも接客担当はアジア系(マレー系かな)の若者。呼ばずともこちらが必要とするタイミングで来てくれるシゴデキな若者である。この辺ではアジア系の客にはアジア系の店員、というのが主流なのだろうか(シゴデキなのでマイクロアグレッションとか文句は言いませんよ)。サクッと注文してサクッと食べてサクッと会計して出てきた。

 

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ハンバーガー。フライドサツマイモが選べたので、サツマイモにした。(じゃがいもの方が背徳感のある味でおいしい。)


その後は街歩き。危険エリアに立ち入らなかったせいでもあるが、『ドイツ最恐」と聞いていたほどの治安ではない。散々警戒していたヤクの売人もヤク中らしき人も見かけない(ソーセージの売人とソーセージ中毒者はたくさんいる)。ニュルンベルクが巣鴨なら、フランクフルトは歌舞伎町〜新宿駅東口程度の違い。所詮は治安の良いドイツなのだ。


街中の大きなマーケット「クラインマルクトハレ」(クライン・マーケット・ホールですね)は肉の品揃えが豊富で、中東系移民の多さゆえかハラール対応の店もあったりする。気温が低いせいか、市場特有の匂いは薄い。八百屋では生のシイタケマッシュルームが売っていたのだが、大きめの椎茸が1カゴ2ユーロ程度ではなかったか(記憶に自信なし)。 産地はどこだろう。 新鮮そうに見えたが空輸品の値段ではない気がするし、今どき中国からロシア経由で鉄道で運ぶのも難しかろう。椎茸原木は日本から輸出禁止なので、ドイツで中国産の菌床を使って作っているのだろうか。


そういえば、フランクフルトではゼンケンベルクの他にもう一つ目的があった。良さげなカトラリーの購入である。自分でも神経質だと思うが、ステンレスのカトラリーがどうにも金属臭くて苦手なのである。それで子どもの頃から愛用している陶器のスプーン一本で凌いでいたのだが、一本しかないので何しろ不便なのだ。金属でも臭くないというステンレス18-10のカトラリーがずっと欲しくて探していたのだが、カトラリーといえばヨーロッパである(知らんけど)。きっとドイツであればマイスター品質の素敵なカトラリーがあるに違いない。そう信じてニュルンベルク滞在中から探していたものの、何かピンとこない。もう大都会フランクフルトにかけるしかない。

中央駅近くのショッピングモールMyZeil(Googleマップ)の台所用品店「LOREY」に行き、カトラリーセットを物色すると、MEPRAというイタリアのメーカーのカトラリーセットに一目惚れしてしまった。ドイツでイタリア製品を買って日本に持ち帰るのもバカバカしいと思わないでもなかったが(枢軸な感じ)、マエストロデザインな洒落た形であるのに、手にしっくり馴染む。ヘアライン仕上げで傷を気にせずガシガシ使えるのも良い。どうやら日本では代理店が強気な値段で販売しているらしいし、セールと免税で無印良品並の価格になるのでエイヤで購入した。ナイフ、フォーク各6セットに、大小のスプーンが6本ずつ。まあまあな重さだが満足である。


ホテル最寄りのスーパーで、自宅用にチーズとバター、プンパーニッケル(諸説あるが、オナラをするニコラウスというのが語源らしい繊維の多いパン)を購入し、ホテルにチェックイン。フロントマンはハネムーンで日本半周したらしく、私のパスポートの本籍地を見て「今度はそっち側に行きたい」と言っていた。地名だけでわかるとはなかなか通である。

驚くことに、エレベーターに階数ボタンがない。カードキーで認証すると、泊まっている階に直行するシステムである。セキュリティも高いし、何やらSFチックで萌える。

 

部屋に入りトコジラミチェックまでは終えたが、どうにも体調が悪い。頭が重く、食欲もない。おまけに足も疲れて歩きたくないので夕飯は朝におまけしてもらったパンと余ったラドラーで済ませた。(健康な夫には足りなかったらしく、非難がましい目で睨まれた。)

 

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ホテルのベッド(トコジラミチェック前)、ダブルでも布団が2つに分かれているのが非常に良い。


しかし明日は帰国である。ひとまずシャワーを浴びて再起動、荷造りを始めた。この日買ったカトラリーに加えて、バンベルクで買ったビール、ニュルンベルクで免税範囲ギリギリまで買い足したワイン、そしてバター、チーズ、ウイーンで買ったモーツァルトクーゲルなど地味に重いものが多い。スーツケース2つにパズルのように詰め込むと、今まで経験したことがないほど重くなった。

 


1月4日、最終日、帰国の途につく

朝、フロントでチェックアウトしようとすると、予約時に支払ったはずのホテル料金が未払いと言われる。担当のスタッフは新人のようで、いちいち自信がなさそうなくせに「支払われていない」という一点についてはやたら強気である。それ以上調べようともしないし埒が明かない。隣で別の客の応対をしていた日本人スタッフが見かねて代わりにテキパキ確認し、支払い済であることを確認してくれた。なんとかなってよかったものの、結局15分以上ロスした。重いスーツケースを転がして走ったが、乗りたかった電車は逃してしまった。もう3時間前に空港に到着するのは無理である。


エアポートエクスプレスの車窓からは畑つきの小綺麗な小屋が多数見えた。貧困層の家にしては整然としている。Wikipedia先生によればどうも「クラインガルテン」という趣味の園芸のための別荘らしい。ドイツ東部ではソ連風にダーチャと呼ばれるそうである。わざわざ出かけて行って植物の世話をするなんて、なかなかマメな趣味だ。


そうしてやっと空港駅に着いたと思いきや、エアチャイナのカウンターがやたらに遠い。カウンターまで向かう途中で警官2人に両脇を抱えられて連行されていく薄汚い若者を見かけた。しゅんとして大人しく運ばれてはいたが、一体何をしたのだろう。

方向を間違えているのかと不安になる頃にようやくカウンターが見えてきた。チェックインすると、予想外にスーツケースは15キロしかない。夫のスーツケースも16キロ程度だったと思う。すわ追加料金かと思っていたが余裕で範囲内であった。カトラリーの免税手続きのため、スーツケースを返してもらって税関に預け、グローバルブルーの免税カウンターに向かったが、爆買いアラブ人グループが束になったレシートを抱えて長蛇の列を作っている。時間もないので、その辺に転がっていた封筒に免税書類を入れて『グローバルブルー」と書いてあるポストに投函した(実はまだ還付金が入金されていないので少し心配)。


セキュリティチェックも混雑しており、その上係員も乗客もみんながモタモタしている。なぜ自分の番になってからコートを脱ぎ始めるのか。なぜ何をバッグから出す必要があるのか把握していないのか。なぜ今になってスーツケースをゴソゴソ探し始めるのか!その辺考えてパッキングしておいて欲しい。


イライラしながらも、ようやく自分の番になり、金属探知機を通り抜けて女性係員に念入りにボディチェックを受けると出国審査である。こちらも利用者に対して圧倒的にカウンターが足りてない。四方から人が集まって来るため、綺麗な列にならずに団子になってしまう。空港係員が拡声器で「止まらないで!列を作って歩き続けて!」と繰り返すと、団子がノロノロと動く。と、1人の老紳士が係員に向かって「やれやれワシらは羊かね?」と嘆く。確かにまるで牧羊犬に追い立てられる羊のよう。 愉快な例えだ。老紳士としても会心のジョークだった様子で係員をチラッと見たが、疲れた顔の係員は全く相手にしない。老紳士はさも残念そうに「やれやれ、それでは羊のように従おうじゃないか」と呟き、それきり黙り込んだ。老紳士の英語は英国訛りに聞こえたし(自信なし)、いかにも英国人の好きそうな皮肉だし(偏見)、濃紺のパスポートを持っていた(観察事実)のできっと英国人であろう(推測)。そういえばフランクフルト空港は規模の割に乗り入れ路線が多くパンク寸前ということである。なるほど確かにいちいち容量が足りていない。正直もう二度と使いたくない。

それでもラウンジに立ち寄る時間を少しは確保できた。朝食を取ってないので腹ペコである。プレッツェルとハンバーグ様の美味しい謎肉とホウレン草、そして美味しいクッキーをかき込む。ウォーターサーバーの水が冷たくて柔らかくて非常に美味しかった。機内用にボトルにも詰める。


搭乗開始が遅延したため、ゲートでしばらく待たされたが、夫がタバコを吸いに行って戻る頃には搭乗開始した。やっとこ飛行機に乗り込むといやに寒い。なんと後ろのドアが開きっぱなしになっている。換気だろうか、よくわからない。結局出発直前まで開いていた。最後までドイツは寒いのである。

 

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機内食はビーフのグラーシュ。パンが美味しい。

 

途中、ラウンジで汲んできた水がなくなったのでギャレーでCAに水を頼んだら、お湯が入ってきた。温めるエネルギー分だけ得した気分である。


クソ暑い深圳空港に到着すると、ちょっとトライポフォビア的にはキツイデザインである(当然写真など取ってない)。ただの乗り継ぎでもパスポートチェットとセキュリティチェックがあるが、シゴデキ中国人がテキパキ捌いてくれるのでストレスフリー。ラウンジでシャワーを浴び、ダラダラと時間を潰して羽田行きの深圳航空に搭乗した。深圳航空は初めて乗ったが、エアチャイナよりどことなく現代的な感じがした。


終わり。

 

 

おまけ。

チェックインカウンターの計量値に違和感があったので、家の体重計で測ったところ、18キロと19キロであった。これはきっと家の体重計が3キロずれているのだ。だから私の体重も、表示よりも3キロ痩せているはずだ(という現実逃避)。

オーストリア・ドイツ旅行、ドイツ編②

ドイツ編①の続き。

 

1月1日、ハッピーニューイヤー

この日はニュルンベルク観光。地下歩道内の券売機でグループチケットを購入。大人2人だけでも、個別に買うより安そうなのである。

 

路面電車でルイトポルトホールまで向かう(入口にあった地図)。ニュルンベルク党大会が行われたアレである。どう考えても悪でしかないナチス関連の施設をドイツがどういうノリで保存しているのか非常に興味があったのだが、残念ながら中には入れず。一周してみたが、しっかりと閉鎖されており入れそうなところはない。他にも多くの観光客がいたが、入り口は見つけられていなかった。仕方ないので、ちょうど来ていた路面電車に乗る。

 

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ルイトポルトホールの外壁。ちょっと前まで荒れた廃墟だったらしい。


向かう先はニュルンベルク裁判記念館。敗戦国のドイツがどういうノリでこれを保管しているのか、同じ敗戦国の国民として興味がある。(しかし市ヶ谷記念館には行ったことがないな、そういえば)。

チケット売り場のオジサンに音声ガイドの言語を聞かれる。「何語があるのか?」と尋ねると「色々な言語があるゆえ希望する言語を答えよ」とのことだったので試しに日本語と伝えたところ「日本語はない」と素っ気なく英語のガイドを渡される。音声ガイドは昔のTOEICリスニング問題のような聞きやすい発音なのだが、法律を学んだことがない人間にとっては知らない単語しかない。話の流れ的に連合国側の説明かな、などと考えているうちにトピックが変わっている。事前に基本単語を覚えてきたり、英語版Wikipediaあたりを予習しておけばよかったのだが、残念ながらそんな勤勉さは私にはない。2階はニュルンベルク裁判が行われた600号法廷、3階が写真と文章のパネル展示である。最初は真面目にGoogle翻訳で読んでいたが、戦勝国が敗戦国を裁く構図が面倒臭くなって読むのをやめてしまった。この構図のせいで、中立な第三者でも極悪と判断するであろう戦争犯罪が勝者の歴史に見えてしまう。大変な悪手である。

ちなみにおまけ的に東京裁判のパネルもあった。出口にあったメッセージ帳には英語で昭和天皇を貶めるメッセージが書いてあったりして、昭和生まれの日本人としては複雑な気持ちになる。

 

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誇らしげな戦勝国の国旗。


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600号法廷。配置は当時と違うらしい。席数が少ない。わざわざ十字架があるのが興味深い。


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当時はこんなに席があった。{模型)


その後、元日でも空いていた数少ないハコモノ、ゲルマン国立博物館に行く。正直ゲルマン文化のことは全くわからないが、素材的にも技巧的にも素人が見て凄そうなものがない。 全体的に素朴である。そんなに経済力がなかったんだな、ということがよくわかる。

 

博物館を出る前に、トイレで用を足して個室を出ると、順番待ちをしていた白人女性が私を見て一瞬嫌な顔をしたように見えた。気のせいかと思いながら手を洗っていると便座を紙でゴシゴシ擦っている音が聞こえてきた。そんなに嫌なら入らなきゃいいのものを、潔癖症なのか差別主義者なのかは知らないが、同じ人間なので尿意に勝てない気持ちはわかる。エネルギーコストが高いせいだと思うが、博物館内は暖房が効いておらず、トイレが近くなるのだ。


その後、ニュルンベルクの城壁の中をグルグル散歩。野良でチェロを弾くおじさん、野良でビブラフォンを演奏するお兄さんを見かけたが、全体的に演奏のレベルが高い気がする。チェロのおじさんは、城壁内を一周して戻ってきても同じ曲(ショスタコヴィッチのセカンドワルツ)を弾いていたので「こんなに上手いのに、まさかレパートリー1曲だけで凌いでいるのか」と心配になったが、別の時に見た時は違う曲を弾いていたのでタイミングの問題のようだ。何か安心した。

 

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なんか複雑な像。

 

お腹が空いてきたので目についたドイツっぽい店Heilig-Geist-Spitalに入った。いかにもドイツ料理だが、なかなか美味しかった。ちなみに接客担当はアジア人(恐らく中国系)。こちらが呼びたい時にはすぐに気づいてくれるし、感じがよくとても仕事のできる人だった。

 

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レバーの団子の入ったスープ。


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ニュルンベルクソーセージ。見た目通り美味しい。


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添え物のドイツ風芋餅、クヌーデルがうまい。


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アプフェルストゥルーデル。モッチモチした皮の存在感がたまらない。

 


1月2日、雨。

この日はバンベルクへラオホビールを飲みに行く。冷たい雨がちらついているが、いつもスーツケースに入れている折り畳み傘を今回うっかり持って来なかった(冬のヨーロッパで、雨が降るなんて思わなかった)。しかし私のコートの右のポッケにはレーゲンスブルクで買ったクッキーを入れている。傘などなくても、ポッケにクッキーがあるという事実が私を強くしてくれるのだ。列車は予定時刻を6分ほど過ぎて何事もなく発車した。我らがJRなら平謝りするところである。(と言いつつ、私はいつもJRの車掌さんはあんなに謝罪しなくて良いと思っている。何も悪くないのに謝ってもクレーマーが付け上がるだけである。)途中、短髪でガタイのいい軍人みたいなオッさんが検札に回ってきた。こちらがおずおずと差し出した切符を確認し、怖い顔で我々を見下ろすと、急にニカっと笑って親指をグッとしてくれる。ギャップがずるい。自分のコワモテの使い方をよくわかっているのだ。ドイツ人客相手にはジョークで座席を沸かせていた模様。


バンベルクでも雨がしとしと降っている。旧市街まで来てみたが、全く止む気配がない。それどころか、少し強くなってきている気がする。コートも濡れて不快であるし、ポッケのクッキーが濡れてしまうのも心配であるし、ドラッグストアでカラフルな水玉模様の折り畳み傘を購入した。10ユーロ。常時なら絶対選ばない派手な柄だが、たかが傘されど傘。あるとないとでは大違いである。文明の利器!

 

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バンベルクの街並み、その1

 

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バンベルクの街並み、その2


まずはラオホビールの聖地というSchlenkerlaへ。内扉を開けて室内に入るとほぼ満席であり、非常に活気がある。席を見つけて座ると、おばちゃんスタッフに木樽から注ぐ「メルツェン」を2つ頼んで待つ。周りは幸せそうにビールを飲む元気な老人たち。見ているとテーブル間をまたいでおしゃべりしているのだが、皆顔見知りなんだろうか。

ラオホビールはスモーキーでもフルーティ。非常に美味しい。感動の美味しさ。老人会は12時になると急に帰っていき、途端に静かになった。中世のような店内に反してトイレッテンはやたらに現代的。人類皆ビールを飲むと決まって催す。快適なトイレは絶対条件なのであろう。

 

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外観。

 

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内装。

 

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コースターは使い回し。


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ラオホビール。


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ウソみたいだろヴァイツェンなんだぜそれで。(全然白くない)


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名物、玉ねぎの肉詰め。玉ねぎが甘い。好き。

 

店を出て、寒い中を歩くとお腹が冷えたのか催してきた。間一髪のタイミングで見つけたバンベルク大聖堂の有料トイレッテンを借りる。0.5ユーロを皿に置き、スッキリして出たら皿が空になっていた。外で待っていた夫曰く、スタッフと思われる人が速やかに回収した模様。大聖堂内に入るとほんのり温かい。窓はステンドグラスではなく普通の透明ガラスであった。個人的にはこれはこれで侘び寂びというか、あっさりしていてなかなか好きである。窓から覗く寒々しい空と、蝋燭の光が揺れるほの温かい大聖堂とのコントラストがなんとも言えない趣きがある。

 

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大聖堂内部。ステンドグラスがない。


2時まで待って別のビール屋Klosterbräu Bambergへ。ビールを待つ間に再びトイレッテン。ここもトイレッテンが現代的で綺麗である。ビールはスモーク弱め、より黒ビールっぽい。とても美味しいのだが、個人的な好みを言えばSchlenkerlaほどの感動はない。

 

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とても美味しかったけども、比較する相手が悪かった。

 

未練が断ち切れずSchlenkerlaまで戻って土産ビールを4本購入し、ついでにトイレッテンを借りる。寒い上にビールをたらふく飲んでいるのですぐに尿意が込み上げるのだ。他にもビールを飲める店はあり、肝臓のキャパ的にももう少し飲めそうではあったが、ビール→尿意→トイレッテンのサイクルを繰り返すのに疲れてしまった。今思えば、せっかくだからもっと飲めばよかったのだが、この時は「円安ユーロ高の中、金を出してビールをわざわざ尿に変える行為」を繰り返すのが馬鹿馬鹿しくなったのである。


取っておいた帰りの電車でクッキーを食べる。1日ポッケに入っていたとは信じられないほどひんやりと冷たかった。それでも体中に糖分が染み渡るのであった。

 


夜はブロックハウスというドイツのアメリカンステーキハウス。アメリカ本国のステーキ屋とはちょっとノリが違っており、雑に説明すれば接客が露骨にフレンドリーで明るい。ナチュラルボーン陽キャには絶対にできない、真面目にマニュアルを順守したフレンドリーさとでも言うべきか。 むしろ日本のアメリカンダイナー的な店の雰囲気に近い気がする。アメリカ以外の国から見た「アメリカ」のイメージが垣間見えて興味深い。

2人でTボーンステーキをシェア。そんなに量は多くないのだが、昼間のビールのせいか胃腸にガスが溜まっており、すぐに満腹になりデザートまでは辿り着けなかったのが心残り。

 

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人参と生姜のスープ。甘くてホッとする味。おいしい。


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山盛りの量が嬉しいサラダ。


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付け合わせの温野菜とキノコ。キノコが美味しい。


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Tボーンステーキ。


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付け合わせのパンとじゃがいも。美味しいけどお腹いっぱい。


ドイツ編③に続く。(なんか尿意の話ばっかりだな)

オーストリア・ドイツ旅行、ドイツ編①

ウイーン編②の続き。

 

12月30日、ウイーンからニュルンベルクに移動

ウイーンからニュルンベルクまではInterCity Express、略してICEでの移動である。ずっと「アイス」と呼んでいたが、正しくは「イーツェーエー」らしい。発車時刻が迫る中、スーツケースを引いてホームをダッシュ。一番端の一等車に滑り込んだ。荷物を棚に置いて席に着くと、まもなく発車した。

 

まずは買ってきたビールを開ける。お隣の老夫婦はタッパーに入れたリンゴ(切り口が真っ白)を食べ始めている。照明は欧州的な黄色みががった白である。走って喉が渇いていたので、虎の子のビールをグビグビと飲み干してしまった。(己の欲望を抑えられないタイプである。)

 

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それにしても電車で飲むビールはなぜこんなに美味いのか。


まだ5時過ぎなのだが、外は既に暗く景色が見えるでもない。虚空を見つめてぼんやりしていると食堂車からスタッフがオーダーを取りに来た。さっそくビールを注文。 そういえばお腹にも少し余裕が出てきた。駅で買っておいたレバーケーゼサンドを食べる。

 

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ビールとレバーケーゼサンドイッチ。隠れていて見えないが、グラスは足つき。


ちなみにレバーケーゼとは、Wikipediaによれば「レバーケーゼ(独:Leberkäse、一部地域ではレバーケース Leberkäs またはレバーカース Leberkas)は、ひき肉と香味野菜およびスパイスを長方形の型に入れて蒸し焼きにした食品」とのことである。夫はピッツァ、私はパプリカのレバーケーゼをカイザーゼンメルに挟んだもの。 まだ少し温かい。やはりパプリカは間違いない。豚肉だが、食感は魚肉ソーセージのような感じ。見た目通りの味だが、シンプルで良い食べ物である。ビールにもよく合う。


ビールを飲み、腹が膨れると決まって訪れるのは睡魔である。気づけば夫は既に熟睡している。乗り過ごさないように私は起きていようと思いながらも、ついうつらうつらとしてしまう。振り子のようにブランブランと揺れながらも無事ニュルンベルクで降りることができた。


ニュルンベルク駅から外に出ると、さっそく缶ビールを片手にぶらぶらしているおじさんに遭遇する。これでこそドイツである(偏見)。吸い殻がびっしりと落ちている汚い道路を歩いて宿泊先のホテル「パークプラザニュルンベルク」にチェックイン。ベッドにトコジラミの痕跡がないことを確認し、シャワーを浴びて就寝。

 


12月31日、ジルベスター。

この寒いのに、朝っぱらからオジサンたちが路上で缶ビールを飲んでいる。これでこそドイツ(偏見)。我々はバイエルン地方の1日乗り放題チケット(バイエルンチケット、というそのままの名前)を使ってレーゲンスブルクへ。目当ては、この辺りでしか食べられない白ソーセージの朝食である。

 

天気は曇り。骨の髄まで沁み入る寒さである。どうもドイツの方がウイーンより寒い気がする。 朝から何も食べていないせいだろうか、寒くて感情の振れ幅がなくなりながら、目的のレストランRegensburger Weissbräuhaus(割とそのままの名前)に到着。期待に反してレストランの中は全く暖房が効いてない。ロシアの安い天然ガスが手に入らないせいだろうか。出迎えたゲルマン人的長身オジサンに「朝は白ソーセージしか出していないが大丈夫か」と聞かれるが、勿の論の大丈夫だ。我々はそれを求めてはるばる極東からここまでやってきたのだ。流れるように白ソーセージと白ビールを注文する。ドイツ風にいえば、ヴァイスヴルストとヴァイツェンである。

 

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写真だとそんなに白くないな。

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白ソーセージ。15センチはあっただろうか。

 

白ビールはほのかに甘く、私はけっこう好き。少し待って出てきた白ソーセージは予想外に大きかったが、甘いビールともよく合い、夢中で食べた。皮を剥いて食べるのだが、私はどうも不器用で皮に少し肉が残ってしまう。旅の恥は掻き捨て、フォークでこそげ取ろうと試みたがうまくいかず。もっと食べたいのだが、やめておく。

 

中世の雰囲気の残る街を歩く。寒い。腹が満ちると少し体が温かくなった気がしたが、気のせいであった。寒い。

 

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レーゲンスブルク大聖堂。ここも全く暖房が入ってないが、それがむしろ中世っぽいと言えなくもない。寒いけど。


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なんか有名なやつ(寒い)


寒くてトイレが近いのだが、街中に無料トイレが多いのは何よりも救いである。比較的清潔で臭くもない。冷たい便器に腰掛け、ホッカイロでも入ってないかとバッグを漁ると腹巻きを発見。装着してみるとこれだけでもだいぶ違う。腹巻き万歳。入れた記憶がないのだが、きっと寒がっている私を見るに見かねた神が日本の我が家の箪笥から瞬間移動させてくださったのだろう、おお神よ。池田理代子先生の名作、オルフェウスの窓の舞台にもなった素敵な街並みが素敵だったような気がするが、もう寒すぎてあまり記憶がない。カフェで甘い物でもと思ったが開いている店が少なく、途中本屋で暖を取ったりしつつ、なんか色々満足したのでホテルに帰ることにする。

 

駅で買ったホットチョコレートの美味しいことといったら!!!温かいチョコレートの看板に偽り無し、冷え切った消化管にとろりと甘く温かい液体が流れる様は、まるで胃カメラバリウムである。(※あまり共感してもらえないのだが、積極的にバリウムが好きなのである。絶食している胃にほのかな甘みがキーンと効く。わかってくれとは言わないが。)

一緒にチョコチップクッキーも買ったのだが、ホットチョコレートの感動が薄れそうな気がして後のオヤツに取っておくことにした。

 

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期待を裏切らないホットチョコレート


ニュルンベルクのホテルに戻り、近くの(といっても徒歩10分の)コインランドリーで洗濯。せっかく日本からナノックスを小分けにして持ってきたのにホテルに忘れてしまい、自販機で洗剤を買う羽目に。一回分を買ったのだが想像以上に大量の粉末が出てきた。日本の一般的な粉末洗剤の5回分である。「なんぼなんでも多すぎる」と夫は主張したが、「余分に多い洗剤をサービスするわけがない。それが経済の論理だ。余った洗剤がどこかに捨てられている様子もないし、水質改良材等の何かが入っているに違いない。余ってもどうしようもないのだから使い切ってまえ」と主張した私に押し切られる形で全量突っ込む。洗濯機をスタートした直後、インド系と思しき住民が半分残しているのを目撃し、一瞬暗雲立ち込めたものの、出来上がった洗濯物は至って普通だった。洗剤の溶け残りもなし。経済の論理の勝利である。持っていた現金全て(1ユーロ)を注ぎ込んで10分だけ乾燥機をかけ、半乾きの洗濯物を抱えてホテルに帰った。移民の利用者が多いように見えたが、濡れた洗濯物を持ち込んで乾燥機だけかけに来ているゲルマン人もいた。寒くて自然には乾かないのだろう。

夜はホテル近くのケバブ屋でケバブサンド再び。ヨーグルトソースが美味しい。やはりケバブは完全食だ。

 

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完全食。


ドイツ編②に続く。

 

 

おまけ。レーゲンスブルクの無料の公衆トイレの照明が謎に青くて、何かと思ったら薬中対策らしい(静脈が見えなくなるので注射が打てない)。

案外治安悪いな!!