台風の過ぎた広州で、おいしい飲茶が食べたい。(蓮香樓)
台風の翌朝、腹が減って腹が減って辛抱たまらなかった我々は、いそいそと広州酒家に向かった。
広州といえば広州酒家、3大酒家のひとつでもある。
来る前から絶対ここに来ようと心に決めており、旅行初日にも行こうとしたのだが、文昌南路本店は結婚式で貸切、他の支店も満員で入れなかったのだ。
前日、停電で晩飯を食い損ね、食欲の亡者となった我々の、腹も心も満たしてくれるのは広州酒家以外にない。そうだ、広州酒家行こう。
と、胃袋が完全に広州酒家になっていたのだが、店に着いてみると中は真っ暗である。
よく見ると「台風のため、12時から開店します」といった内容の素っ気ない貼り紙があった。
ガッデム!こちとら十二指腸の先まで広州酒家だったんだよ!と地団駄踏んでも仕方がない。
どうしようかと回りを見ると、緑地に赤の景気の良い看板が目に飛び込んできた。
(蓮)
(香)
(樓)
広州蓮香樓である。本当にこんな感じの看板である。(写真撮ってなくてな)
香港で行った蓮香居に勝手に姉妹店を名乗られ、争った挙句に認めさせられた「蓮香樓」の親玉である。
香港の蓮香居はうまかった。腹も減っている。ゴーではないか?ゴーだろう。
派手な土産店の2階が飲茶店である。空いている席を見つけて座り、いざ飲茶。
上汤净云呑、白灼靓菜心
最初に来たのはエビワンタンとガイランである。 ワンタンはぬるく、ややぼやけた味だが悪くはない。
ガイランはヘルシーな食事のように見せるためのものである。下手をすると動物のエサになるのだが、サラサラのオイスターソースをかけただけで気が利いた料理になるのは感心する。
冻双皮奶
冷たい牛乳プリン、温かいのもある。牛乳を卵の白身で固めたものらしいのだが、意外なことにねっとり、もちもちした食感である。初めて食べたこともあり、これが普通なのか判断できない。これはもう少し研究を重ねなければなるまい(気に入っただけ)。
一品小笼包
小籠包。台湾のものと違って、中にスープが入っていないのが良い。私は猫舌なので、あのアツアツのスープが入った小籠包が苦手である。ぬるくなってからでないと食べられないので、今ひとつ盛り上がらない。アイスを溶かして飲むようなものである。
笼仔马拉糕
香港の蓮香居のマーラーカオはとてもおいしかったので期待していたのだが、マーガリン臭く、期待外れだった。なぜマーラーカオにマーガリンを使う必要があるのか。トランス脂肪酸タップリ、ポリプロピレンの袋に入れて「マーラーカオ」などと印刷し、コンビニに売っていそうな味である。
腹減ってたからガツガツ食ったけどな。
蚝皇腐皮卷
湯葉の中に黄ニラやキクラゲを包んで揚げて、オイスターソースをかけて蒸してある。こってりはしているのだが、黄ニラの香りが良く、モダンな味がした。蓮香樓に行ったら食べるべし。
韭王鲜虾肠
デフォルトのエビ腸粉である。皮が少し乾燥しているのだが、まあ腸粉なりにはおいしい。
さて、油っこい料理を食べ、普洱茶を飲むと決まってやってくるのが便意である。
そそくさと洗手間に入ると、紙は個室の外に設置されたロールから必要な分を巻き取っていくタイプであった。
女子トイレのペーパーホルダーが空だったので、男子トイレのペーパーホルダーから頂こうと思ったが、こちらも空だった。(躊躇なく男子トイレに入るあたりがオバタリアン予備軍だ、と今思った。)
仕方なくトイレを出、近くにいた店員に「トイレット、ノーペーパー」と連呼。店員は指2本を立て、中国語で何か言っていたのだが、「紙は有料だよ、2元ね」と言ったのだと理解した。伝票に紙代を追加してもらってゲットしたのが、蓮香樓特製便所紙である。
(動揺してブレた。)
中には25cm四方の厚手の紙が入っており、拭き心地も悪くない。
間違いなく水に流せないので、日本のトイレでは使えない。かといって、鼻を噛むのには厚すぎるし、便所紙で汗とか拭くのもなぁ。
まだ数枚残っているのだが、なんとなく使い道に困っている。捨てるのもなぁ。