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細かすぎて役に立たない旅行ガイド

江田島、呉(広島旅行3日目)

だいぶ間があいてしまったが、広島編の続き。

 


3日目はフェリーに乗って江田島海上自衛隊 第一術科学校、次いで呉の大和ミュージアム海上自衛隊呉史料館(通称「てつのくじら館」)というネイビー色の濃いルートである。

泊まったホテルにはフェリー乗り場が隣接しており、さらにフロント横の観光案内所で広島ー江田島ー呉のフェリーチケット「くれ・やまと連絡切符」が購入可能で、至れり尽くせりとはまさにこのことだ。

 

宮島行きのフェリー乗り場には長蛇の列ができていたが、江田島行きは我々のみであった。出発5分前でもフェリーが到着せず、不安になっているとフェリーが猛スピードで滑り込んできた。フェリーとは言っても、ちょっとした漁船のような大きさである。一瞬にして舫われ、渡し板がかけられる。イソイソ乗り込み、席につこうとした瞬間、ブルン!とエンジンをふかして出港した。10分はかかるだろう、という我々の予想を見事に裏切る定時出発、恐るべき早技であった。いやはや、慣れていらっしゃる。

 

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船窓より。海に天使の梯子がかかっている。

 

 

第一術科学校
江田島の小用港から術科学校までは市営バス「術科学校前」で下車する。(ちなみにこのバス停から結構歩かされる。全くもって術科学校前ではないのだが、そんな甘ったれたことは言ってはいけない雰囲気である。)

学校正門で受付を済ませ、控室まで歩くのだが、身分証の提出もなければ見張りがいるわけでもなく、意外な気安さである。まあ言うて学校だから狙う人もいないのか、悪者が入り込んだところで屈強な男達が抑え込めるという自信の現れなのか、案外カジュアルな感じが若干期待外れである。

控室は「江田島クラブ」という建物のロビーで、マニア垂涎の限定海自グッズや制服などが高校の購買部のような雰囲気で売られている。ロビー中央のTVでは海自の紹介ビデオが流れており、それが大変に面白かったので後で海自のサイトやYouTubeでも探したのだが、どうにも見つからなかった。海自きっての屈強な男たちがロープと空気ボンベを担いで梯子を駆け上り(驚くことに、手を使わず足だけで梯子を登っていた)、救難機US-2に乗り込んだりする動画だ。動ける筋肉は目の保養である。

 

しばらく控室で待っていると、60歳過ぎたくらいの元気な男性ガイドが登場し、いよいよツアー開始である。案内を聞きながら、石造の大講堂や、イギリス製のレンガを使った幹部候補生学校を見て回る。ガイドは屋外でもよく通る声の持ち主で、話もうまく、それなりに長時間にも関わらず全く飽きなかった。姿勢が良く、力強い身のこなしから、退官した自衛官ではないかと思う。

 

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大講堂。総工費当時40万円。現代の価値に直すと10億円以上だろうか。


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海軍兵学校、現幹部候補生学校。横幅144メートル、当時の軍艦と同じ大きさとのこと。


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幹部候補生学校の目の前には、海の波を模した砂利が。

 

最後は教育参考館へ。大日本帝国海軍の貴重な資料が多数展示されており、英霊に敬意を表して脱帽必須、写真撮影およびポケモンGoは禁止である。教科書やWikipediaで見たことのある資料がモリモリ、見たことがない資料もモリモリ(勝海舟坂本龍馬が一緒に写ってる写真とか)、何時間もかけてじっくり見たいところだが、45分しか時間がない。「もっと見たければまた来てくださいね!」とのこと。個人的には、太平洋戦争関連の展示方針が平和記念館と真逆であるのが興味深かった。あと階級に対して秋山真之の扱いが大きい。

ちなみに、有名な軍歌「同期の桜」に歌われた桜も敷地内にあるらしいのだが、残念ながら工事中で見られなかった。

 

見学後、小用港までテクテク歩き、フェリーで今度は呉に向かった。

 

田舎洋食いせ屋

呉に着いたらまず腹ごしらえ。腹が減っては戦もできないし、戦関連の博物館も楽しめない。

我々のお目当ては呉の老舗洋食屋いせ屋」。創業者が軍艦のコック長だったとか。呉っぽいではないか。

味は悪くないのだが、塩味がキツいのは好みが分かれるであろう。おやじさんはお年を召されており、年と共に味付けが塩辛くなっていった祖母を思い出した。


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肉じゃが


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ハヤシライス。

 

 

大和ミュージアム

腹も膨れたところで、大和ミュージアムへ。

戦艦大和の1/10復元モデルがあったり、零戦があったり、ミリオタの皆さんが涎垂らして喜びそうな博物館である。ほー、と思いつつ、若干この類はお腹いっぱいだったので、サラサラと通り抜けた。

 

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戦艦大和の復元モデル。


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零戦。塗料が分厚いのが本物臭い。いや本物なんだけど。

 

 

てつのくじら館

既に海自関連に飽きていたのだが、大和ミュージアムの向かいにあり、入場も無料なので、ついでに入館してみた。そんなノリなので、つまらなくても何の文句もなかったのだが、これが予想外に面白かった。

「くじら」という名を冠するだけあって、展示は潜水艦と掃海に特化している(知らんけど)。世界屈指の技術を誇る海自の掃海は、戦後、日本近海に残存した日本海軍および連合軍の機雷を処分する中で培われたらしい。様々な資源を外国からの海上輸送に頼っている我が国では、今後も掃海部隊の重要性はますます高まっていくのである(知ったかぶり)。

 

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掃海に使用する可愛いフロート。こんなに可愛くする必要あるのか?

 

 

 

さて、広島市街、江田島、呉とたっぷり満喫した広島旅行も終わりの時間である。高速バスで広島空港に向かった。途中渋滞していたこともあり、1時間以上かかってしまった。

広島空港のカードラウンジは、日本酒の無料試飲があったり、もみじまんじゅうが貰えたり、素敵であるが、次に広島に行く時は絶対新幹線にしようと誓った。

広島空港、立地悪すぎである。