サンクトペテルブルク〜ヘルシンキ〜ロンドン
ロシア編の続き。
GWの旅行記事がまだ終わらないのだが、年末年始も近づいてきたことだし、もう少しスピードアップしよう・・・。
さて、楽しかったサンクトペテルブルクの日々も終わりを告げ、旅立つときがきた。(滞在たったの三日間だけども。)
次なる目的地はヘルシンキである。しかし、目的地と言いながらもヘルシンキ自体は目的ではない。
目的は、そう、ヘルシンキとロシアを結ぶ高速鉄道、アレグロである。
このアレグロ、国境の前後で席に座ったまま入国審査を受けることができる「世界の車窓から」に出てきそうな電車である。島国に生まれ育った我々としては、陸の国境越えには昔から強く憧れていたのだ。
出発の朝、ホテルから駅まではGettタクシーを呼んだ。
普段は爆走タクシーの癖に、こういう時に限ってドライバーがやたら安全運転である。歩行者用信号が変わったからって、車道の信号が変わる前から減速するのはいかがなものか。黄色にもなっていないのに!さらに30km程度でチンタラ走る路面清掃車に道を塞がれ時間をロスした上に、右折と左折を間違えやがった!
そうしてやっと駅に着いたのは出発5分前。窓口のオッチャンが爆速でチェックインを済ませてくれた。
キャリーバッグの車輪が浮くほど全力疾走しながら車両に乗り込み、席を見つけると同時に発車した。定刻通り。
本当にギリギリであった。
我々が乗ったのは1等席である。座席は2列1列。同じ車輪には、他に日本人グループが1組いた。やはり海外に出ている日本人が多い。
アレグロ。この写真はヘルシンキ駅だけども。(写真撮る暇なかったからな)
アレグロでは軽食が出る。スモークサーモンとヨーグルト、ライスプディングを小麦粉の生地で包んだ「カレリアンピーラッカ」、そして飲み物である。ちなみにコーヒーは飲み放題。トイレは割と綺麗である。
軽食が北欧的オシャレ。カレリアンピーラッカは、すごい炭水化物の味。
食事をとり、のんびりしているとむっつりした顔の女性がやってきて出国審査が始まった。パスポートを見せると、特にやりとりもなく無感動にスタンプを押して去っていった。
これにより、手続き上はどこの国にもいない状態となった。陸上にいるのに!大陸すげえ。
それからアレグロは白樺の森を超え、北国らしい寒々とした田舎を駆け抜ける。白樺アレルギーなのか、途中から鼻水が止まらない。
たまたま夫が持っていた(グッジョブ)花粉症の薬を飲み、しばらくすると入国審査が始まった。
今度はガチむちの陽気な男性である。しかし、腰に警棒を吊るしており、妙な緊張感があったが、案外あっけなく「順調すぎてつまらないね」などと軽口を叩きながらヘルシンキに着いた。(フラグである)
電車を降り、駅でヘルシンキ空港までの切符を買おうとするも、どこで買えばいいのかわからない。券売機はたくさんあるのだが、ヘルシンキ空港に行く電車のチケットは売っていないらしい。みどりの窓口のような場所に行くと「ここではそのチケットは扱っていません」という。
インフォメーションに行き、やっと「みどりの窓口を出たところにあるキオスクで買えばいい」ということがわかった。
しばらく時間があったので、駅を出て辺りを散歩していると、ドナルドダックのような白い帽子をかぶった老若男女を多く見かけた。少し黄ばんでいたり、ぼろぼろだったり、皆年季が入っている。
後で調べたところによると、この帽子は高校卒業の時にもらうもので、毎年5/1「Vappu」という祝日にこの帽子をかぶるんだそうだ。そうして学生気分に戻り、前日の夕方からガンガンに酒を飲む奇習があるらしい。そこらへんにやたらと嘔吐物が撒き散らされているわけだ!!油断すると電柱やフェンスの根本に広がっているのである。帽子をかぶったいい大人がはしゃぎすぎ、電柱に手をついて嘔吐する情景がありありと浮かぶ。反省だけなら猿でもできる(古)
ところで私は海外から絵葉書を出すのが好きである。駅のすぐ隣に郵便局があるので、絵葉書と切手を買いに行った。事前リサーチによると、郵便局のショップでは可愛いムーミンの絵葉書が売っているのだ。
しかし、とても楽しみにしていたのにメーデーだかVappuだかのためショップは閉まっていた。切手の自販機は見つけたのだが、絵葉書がなければどうしようもない。残念だが諦めるしかない。
気晴らしに、素敵オヤツでも入手しようと、駅近くのコンビニ「R kioski」に入ったときである。
ムーミンの絵葉書が売っていたのである!レジの北欧人っぽい長身のお姉さんに聞いてみると、切手?オフコース売っているわ、という。
イソイソと絵葉書と切手を買い、イートインコーナーでコリコリと書きつけ、先ほどの郵便局前のポストに投函した。切手もムーミンで可愛い。
ミッション完了!満足である。
ムーミンの絵葉書。いろんなキャラクターが描いてあってお得感がある。
駅構内の売店でカフェラテとシナモンロールを購入し、エアポートエクスプレスに乗り込んだ。トイレはゲロもなく綺麗。シナモンロールはまあ普通に美味しい。日本にあるものと違って、それほど甘ったるくなく、ロールパンっぽい感じ。コーヒーによく合う。
シナモンロール!上にアイシングがかかっていないのがポイント。
北欧デザインのヘルシンキ空港に着き、ブリティッシュエアウェイズのカウンターに並んだ。余裕を持って2時間半前に並んだのだが、カウンター前には長蛇の列ができており、しかも全然動かない。見ると、エコノミー用のカウンターではヨーロッパ人の太ったお姉ちゃんたちがチンタラ仕事していた。預入のスーツケースに、あの細長いシールみたいなやつ(名前を知らない)をつけるのに酷く難儀している。不器用なのだろう。
ふと横を見ればプライオリティレーンでアジア系のお姉さんがテキパキと働いている。人種によって能力を決めつけるつもりは毛頭ないが、それでも海外旅行でアジア人の几帳面さ、勤勉さを感じるシーンは多い。
制限区域内にも色々とショップがあり、本当は早めにチェックインして空港内を見て回りたかったのだが、搭乗開始まで1時間を切っていたため断念した。
とはいえ、せっかくのヘルシンキなのでイッタラで使いやすそうな皿を2枚購入。ほら、日本で買うと高いからぁー(マウンティング)。実際15ユーロくらい。安い。日本で買うと3,000円くらいする代物である。
出国審査官はガイルをツルっとさせたような陽気な若者である。パスポートを見ながら「Where are you from?」と聞かれだが、瞬時に質問の意味がわからなかった。ジャパン出身だけど、パスポートを見ればわかるだろう。旅程を聞いてるのか?と思い「ロシア・・・」と答えるも、Rの発音が悪すぎて伝わらない。なんとか理解してもらったが、今考えればセントピーターズバーグって答えればよかったなアレ。
そうして乗り込んだブリテッシュエアウェイズ。
隣の席は色々盗み見るにロシア人である。過ぎ去ったロシアが再びすぐそこに。離陸と同時に靴を脱ぎ出したが、申し訳ないが足が臭い。
臭いに耐えて3時間ほど、ロンドン・ヒースロー空港に到着した。
乗客は、サインが消えるまでシートベルトを締めたまま大人しく座っており(他の国だと着陸と同時にシートベルトを外す音が聞こえる)、降りる時も前の席の乗客が全て通路に出るまで止まって待っている。通路でも押し合わずに譲り合う。
さすがは紳士の国の飛行機である。シートベルトサインが消えると同時に通路に出て駆け下りようとしていた自分を少し恥じた。