日日是女子日

細かすぎて役に立たない旅行ガイド

京都(本家田毎、京夕け善哉、天龍寺の精進料理、他)

私の中で今幕末がアツい。

 

もともと日露戦争が激アツだったのだが、この最後の貴族戦でも幕末を生き残った人が活躍していたりして、今さら遡って幕末がアツいんである。(ちなみに、高校時代は地理選択だったので、知識はほぼゼロである。)

 

さて、幕末といえば京都である。ほら天誅とか池田屋とか京都御所とかそんな感じだよ!(浅い知識)

それで京都がワタクシ的にホットなわけで、7月頭(もうふた月も経つやんけ)にホットな京都に一泊で行ってきたのだが、もうアツいのなんのって蒸し暑すぎた。盆地の気候に心折れ、史跡なんて全然辿らなかった。

ただ食って飲んでただけである。

 

そんなわけで、150年前、京の都に露と消えにし維新の志士たちに(申し訳程度に)思いを馳せつつ、京都でおいしく食べたものを自慢しようと思う。(もう2ヶ月前だけどな)

 

 

本家田毎

 

京都に来たら、まずはオヤツに食べたいたぬきうどん。というか、昼飯時に行くと並んでいたりするので、オヤツくらいがちょうどいい。

ゆるくトロミをつけたおツユと、全くコシのないフニャフニャのうどんが癖になる。おあげも甘くてジューシー。

生ビールはヱビス。サーバーがちゃんとメンテされている安心感。美味しいビールで喉を潤す。

 

f:id:suzpen:20190719191410j:image

たぬきうどん。似たような名前のお店がちょいちょいあるので、ご注意を。

 

 

 

京夕け 善哉

 

オヤツのうどんが消化しきる頃、以前も伺った「京夕け 善哉」へ。

このお店は閑静な住宅街にあるのだが、向かう途中ピアノの音が聞こえてきた。バイエルだかブルグミュラーだか、元気な音である。近所のイケズなおばちゃんに「お姉ちゃんピアノ上手にならはりましたなぁ。」などとチクリと言われるないんだろうか。うちハラハラしましたえ。

 

さて、先にも書いた通り、このお店は前にもお邪魔している。

京美人のサバサバしたおかみさんに「数ある和食屋の中で2回も来てくらはって」と深々と頭を下げられたのだが、何しろ部屋も新しく清潔で、居心地がいいのだ。もちろん料理も美味しい。個人的にはまたリピートしたいナンバーワンである。

 

とりあえず日本酒で乾杯。

京都、佐々木酒造の聚楽第(俳優の佐々木蔵之介さんのご実家らしい)。すっきりと軽く、すいすい、ぐびぐび飲める。後味に少し苺っぽいようなクセがあり、ただの水のような酒に終始しないのがいい感じ。好きどすえ。


f:id:suzpen:20190719191339j:image

昨今の日本酒離れを受け、京都では「日本酒で乾杯運動」が行われているらしい。

 

最初はたまご豆腐、じゅんさいと車エビ、上に青柚子。

たまご豆腐の食感がしっかりしており、もっちりしている。エビがぷりぷり、じゅんさいがチュルチュル。ドンブリいっぱい食べたい(下品)。


f:id:suzpen:20190719191351j:image

 

お次は八寸。

上から時計回りに白ずいき、胡瓜の雷干し、ウズラの卵の黄身の味噌和え、カタツムリを象った煮アナゴ(横から見ないとわかりづらい)、ヤマモモ、タコの柔らか煮。

どれも上品な味付けながら、酒が進む。白ずいきは夏の京野菜らしい。胡瓜は滋味豊かな良いツマミ。ウズラの卵黄も、口の中でねっとりと、酒と祝言を挙げてるぜ(マリアージュな)。

 

f:id:suzpen:20190719191418j:image

 

次はあゆの椀もの。

あゆを一夜干ししたもので、燻してあるのかスモーキーな香りがする。上にあるのは骨せんべい。ゴボウの中心がくり抜いてあるため、土臭さが緩和され洗練されたお味。ダシはマグロぶし?ややストイックな味である。


f:id:suzpen:20190719191403j:image

 

ここで日本酒をもう1本。越乃景虎

 

ここで、お造り。

ケンサキイカの上にある黒いものは水前寺海苔で、川藻を集めて固めたものらしいが、予想に反して食感はシャキシャキ。ほか、明石のタイがムチムチでうまい。意識高く塩でいただく。マグロはまあお約束なので普通にうまい。


f:id:suzpen:20190719191451j:image

 

そして出された、京都らしい一品、賀茂茄子とニシン。

賀茂茄子は素揚げしてあり、ひんやりシャキシャキ、油が浸み出してダシがこっくりしている。ニシンは噛むほどに旨味がコンニチワしてきて反則レベルにうまい。もともと身欠きニシンが大好物なので、これはおかわりしたいほど好き。


f:id:suzpen:20190719191430j:image

 

スズキの若狭焼き。

醤油味がギューっとしみていながら、辛くないのはさすがは京都。添え物のサツマイモが美味どした。


f:id:suzpen:20190719191444j:image

 

ここでおビール、熟撰生樽。

 

アワビの酒蒸し、コーンと満願寺とうがらし。

 

f:id:suzpen:20190719191407j:image

 

私は貝類がダメだと予約時に伝えておいたところ、アワビの代わりにスズキのカマを寄せて酒蒸しにしたものが出た。酢の利かせ方が上品。合わせてある紅もずくが太くて食いでがある。

 

f:id:suzpen:20190915213026j:image

 

お次はハモ鍋。

以前来た時も出されたが、山椒が前より弱く、ゴボウが強く効いている気がする。前より野生的な感じがした。季節によって人間の味覚も変わるので、それに合わせて微調整しているに違いない。優しい、ホッとする味。


f:id:suzpen:20190719191357j:image

 

〆は明石の鯛めし、味噌汁(生麩)。

大きなお頭入りの鯛めしはいいダシが出てる。おかみさんが食べやすく身をほぐして盛ってくれる。前回はたまたまタコめしだったが、通常は鯛めしが定番とのこと。タコめしよりも断然うまい。次行く時は鯛めしを指定したいところ。

そして相変わらず漬物がうまい。漬物の強すぎるアミノ酸味が苦手なのだが、ここのはとてもアッサリしていて野菜の味が生きている。


f:id:suzpen:20190719191426j:image

 

最後はデザート、かき氷。

好きなトッピングを選べるとのことだったので、欲張って小豆、練乳、抹茶の3つを選ぶ。鉄板の美味さ。

かき氷以外の季節に来てみたい。


f:id:suzpen:20190719191316j:image

 

 

 

天龍寺、精進料理

 

翌日の昼は天龍寺に行き、精進料理をいただいた。有名な映えスポット、竹林が近いので、外国人観光客が目立つ。

先に結論を書いてしまうと、悪くはないが特別良くもない。3000円のコースにしたが、庭園の入園料500円が追加でかかる。

 

そんなわけで、軽ーくしか書かない。あんまり覚えてないし。

右上から時計回りに、色々盛合せ(もずく・笹餅・サツマイモ・青梅・冬瓜)、胡瓜の胡麻和え(だったかな?)、胡麻豆腐(醤油いらない)、大豆をすったもの、ごはん、中央か麩の煮物。

胡瓜はボヤッとした味で、大量にボールに作っておいたものを小分けにして出している感じ。別に不味くはないが、角がヘナっとしてる。


f:id:suzpen:20190719191321j:image

 

別皿で茄子の田楽、デザートはメロン。


f:id:suzpen:20190719191422j:image

 

繰り返すが、別に悪くない。悪くはないが、他にも精進料理の店は色々ある中でわざわざまた行くかと言うと、もういいです、という感じ。

 

 

 

そんなわけで帰るぞ

帰りはぷらっとこだま、奮発してグリーンである。

京都伊勢丹で駅弁と「出町ふたばの豆餅」を入手。道中のお供にプレモルと四合瓶を買い、レジでプラコップを2つもらった。ちなみに、プレモルぷらっとこだまにオマケで付いてくる飲み物券を使ったのでダーターである。ワンダホー!!

 

お弁当は和久傳の鯛ちらし。見た目よりも鯛が厚くて食べ応えがある。これを日本酒をチビチビやりながら食べるのがたまらなく幸せなのだ。なんで新幹線で飲む酒はあんなにうまいのか。

 

ちなみに日本酒は、京都の城陽酒造の純米吟醸55。吟醸香があり、華やかで軽い女子供が好きなタイプである。(もちろん私は大好きだ!)


f:id:suzpen:20190719191434j:image

高級感のある外観。右は日本酒のプラカップ


f:id:suzpen:20190719191440j:image

オープンザ弁当。上にある季節のオカズをツマミに酒を飲み、下の鯛チラシで〆るのだ。


f:id:suzpen:20190719191330j:image

グイグイ飲み、名古屋に入る頃には一瓶空いてしまった。

 

そしてデザートに出町ふたばの豆餅。

某樋口師匠が理不尽に欲しがるものの中では比較的なんとかなる方だが、本店では朝から長蛇の列に並んだ末にやっと手に入るレアアイテムである。

が、私はあらかじめ2週間前に京都伊勢丹のホームページで予約しておいたので、30秒で手にすることができた。


f:id:suzpen:20190719191348j:image

餅がトロトロ、程よい塩気の豆がうまい。

 

五臓六腑に幸せをしみこませながら、我々の旅は終わるのであった。

 

 

おまけ。

京都市内をバスで移動している時、駐車場で流しそうめんイベントを開催しているレストランを見かけた。

真夏の強い日差しを遮るものは何もなく、当然のごとく全く賑わっていない。

客と見られる中年男性一人に対し、スタッフは若い男性一人。何しろ一人で食べられる量など知れているので、ごくたまにしか流されないそうめん。ほとんどの時間は客のスタンバイ待ち。

ダルそうな客と、これまたダルそうなスタッフが、炎天下の中タイマンで流しそうめんを強行する姿は、なかなかシュールであった。

なぜそこまでして流したいのか。