ウラジオストク(郵便局編)

海外に旅行に行ったら、必ず自分宛に絵はがきを送っている。現地の人に混じって窓口に並び、郵便局で切手を買ったり、ポストに投函したりすると、その国の事情が垣間見え、まるで生活しているかのような気分に浸れるのだ。ほんの少しではあるが、理解が深まるような気がする。

 

そんな訳で、ウラジオストクでも、雑貨屋で絵はがきを買い求め、ホテルでこりこり書きつけ、郵便局に向かった。

 

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こちらがその絵はがき。下のロシア語は「おめでとう」という意味らしい。特にめでたいこともないが(脳みそ以外は)、不思議の国のウラジオストクでささやかな冒険、特別な日ではある。なんでもない日おめでとう。

 

郵便局は、ウラジオストクのほぼ向かいにある。すぐ近くには、スーパーマーケットやレーニン像があったりする。

 

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エータ、レーニン像。

 

ソ連崩壊から30年も経って、まだ像が残されていることも驚きだったが、いつ行っても中国人観光客で賑わっているのも意外であった。彼らはレーニンと同じポーズで集合写真を撮ったり、満面の笑みで自撮りしたり、とても満足そうであった。世界人民大団結万歳。

外国で見る中国人は、どの国であろうと、何やら楽しそうである。

 

 

そのような共産主義的喧騒を通り抜け、郵便局内に入ると、薄暗く、しんと静まり返っていた。

窓口と思われるところで、職員と思われる女性に絵はがきを見せると、階段を指差して静かな口調で何やら私に指示をした。もちろんロシア語なのでさっぱりわからないが、言われた通り階段を上ると、郵便貯金の窓口のような雰囲気である。どうも違う気がする。

それでも窓口の人に絵はがきを見せると、案の定違うらしく、右の方を指差し「あちらに行け」と言う。そして「あちら」の窓口に行くと今度は「下は行け」と言われる。たらい回しである。

 

仕方なしに1階に下りると、先ほどは気づかなかった場所にドアがあった。まるでRPGである。

重い扉を恐る恐る開くと、そこにも窓口があった。中には職員の女性が3人。同時に私を見つめてきた。

「ズドラーストビチェ」と挨拶し、一番仕事ができそうな女性に絵はがきを見せると、彼女はチラと一瞥した後、ロシア語でピシャリと何かを言った。「切手を買っていらっしゃい」と言われた気がして、「グジェ(どこ)?」と聞くと、ドアの外を指差した。

 

言われた通り、ドアの外に出たが、そこには最初に向かった窓口と、売店があるだけである。

とりあえず売店のレジに座っていた中年女性に絵はがきを見せると、何かを了解したように頷き、料金を調べて45ルーブル分の切手を貼ってくれた。ようやく正解にたどり着いたのである。

 

切手の貼られた絵はがきを持って、先ほどのドアを開けると、またもやロシア語で何かを言われた。しきりに後ろを指差している。見ると、そこには青色の箱があり、上面にははがきが入る程度のスリットが開いていた。ポストのように見える。窓口の女性が何を言っているのか全くわからないが、他に選択肢はない。えいままよ、絵はがきを青い箱に放り込んだ。

 

「届かないかもしれないな」と諦めていたが、絵はがきは2週間後にちゃんと届いた。

たらい回しにされ、何度も「ニェット」と言われたが、それがむしろ異国の醍醐味というか、やはりロシアは妙にクセになる魅力がある。

 

これだから、外国から絵はがきを送るのはやめられない!