日日是女子日

旅行と映画と本とメシ

ウラジオストク(パーティーロック編)

太平洋艦隊編の続きである。

 

太平洋艦隊博物館を出ると、ちょうど昼前だったので、腹ごなしも兼ねて市街地まで歩いて戻ることにした。海沿いの道をまっすぐ行けば、中央広場に着くはずである。

 

歩道には人が溢れ、何やら賑わっている。

人を避けながら歩いていると、ガラガラの車道をランニングウェアを着た集団がこちら方面に向かって走って来た。

 

ここで腑に落ちた。朝のあの異様な雰囲気はマラソン大会だったのだ。(前々回の伏線、これにて回収。)

 

ラソン大会とは言っても、犬と一緒に走っていたり、お友達とキャッキャウフフしていたり、何やら自由な雰囲気である。プラカードを持っている人までいる(デモなのか)。そして皆、のんびりとしたスピードである。

これは、きっとウラジオストク市民ふれあいマラソンとか、そんなユルい大会なのだろう。または、速さを競うのは目的ではなく「同志みんなで走ろう会」のような更にユルい催しなのかもしれぬ。

 

そんなユルランナーたちをホノボノと眺めていると、今度は逆方向から猛スピードのガチランナーがやってきた。

ストライドが先ほどのユル集団と倍は違う。ぐいぐいと、力強く進んで行く。

それを追うように、セグウェイカメラマンがスイスイ進む。

トップランナーを見る限りは、全くユルくない、ちゃんとしたマラソン大会のようである。

 

要するに、ユルランナーたちは単にビリグループだった訳である。

何キロのコースなのかは知らないが、トップランナーは既に折り返し地点を過ぎて、まだユルランナーたちが和気藹々と走る(たまに歩く)地点まで戻ってきたのだ。

トップランナーの後を、続々とガチランナーたちが走ってくる。

 

と、後ろから、「ウラー!ウラー!」という雄叫びが聞こえた気がした。

しかし、振り返っても何も見えない。

 

「ウラー!ウラー!」

今度ははっきりと聞こえた。赤軍か。赤軍の突撃なのか。それともロシア式声援なのか。

 

「ウラー!ウラー!」

どんどん近づいてくる雄叫び。

 

叫んでいたのは、青黒の揃いのジャージを着たランナー集団であった。

10人はいただろうか。そのうち1人は、白地に青のバッテンの旗を掲げていた。ロシア海軍旗である。

ということは、ロシア海軍の皆様である。太平洋艦隊の皆様かもしれない。全員ガチムチで、足並みも揃っている。

「ウラー!」と叫びながら、猛スピードで駆け抜けて行った。息も切らしていない。

 

本場の、しかも本職のウラーに出会えたことに興奮を抑えきれないが、1人旅のため、誰とも共有できない。とりあえず日本にいる夫にLINEで報告。

 

さらにテクテク歩いて行くと、中央広場が見えてきた。

そして、広場の手前にゴールがあった。

 

ゴールでは、LMFAOのParty Rock Anthemが爆音でかかっていた。

 

ご存知とは思うが、これな。

 

ウラジオストクに来て、ポールモーリアだのテレサテンだのは聞いたが、ロシアンポップのようなものはどこでも一切耳にしなかった。なぜだろうか。

カチューシャすら流れていなかった。一応ロシア語で歌えるようにしていったのに。

 

既にゴールしていたロシア海軍の皆様は、時々思い出したように「ウラー!」と叫んでいる。

もうええっちゅうねん。

 

 

続く。かもしれない。