日日是女子日

細かすぎて役に立たない旅行ガイド

ウラジオストク(爆走タクシーGett編)

前回のあらすじ(90年代少女漫画風)

ペンちゃんは、旅行が大好きな、ちょっとBBAな女の子。連休を利用して、ウラジオストクにドキドキ一人旅をしているの。金属探知機にチョコレートが引っかかったり、トラブル続出!?なんとか無事に切り抜けられたけど、意地悪なロシア人にたらい回しにされるうちに、空港に向かう電車を逃しちゃって・・・!?

 

 

まあそういうことだ。ロシア人お得意のたらい回しのせいで、エアポートエクスプレスに乗れなかった私ことスズキペンである。

(ちなみに実際ロシア人は意地悪ではない。むしろ親切すぎるくらいだ。)

 

何しろアエロエクスプレスは1日5本しか走っていないので、次の電車を待っていては帰りの飛行機に間に合わない。仕方なくバス乗り場をうろついてみたものの、空港行きのバスが見当たらない。

もはや空港に向かう公共交通機関がないのだ。

 

 

しかし!こんなこともあろうかと!

iPhoneにタクシーアプリを入れておいたのだ。ウラジオストクUberが対応していないが、欧州のタクシーアプリGettが使えるので、インストールしてカード情報を登録しておいたのだ。

俺のGettが火を噴くぜ!

 

Gettに行き先を指定してポチると、5分くらいで迎えの車が現れた。

シルバーのホンダフィット。しかも最近日本で見かけない初代モデルである。

 

少し脱線するが、ここで少しフィットについて語りたい。

実は、フィットは海外ではJazzの名で販売されている。Wiki先生曰く

当初は「フィッタ(Fitta)」という名称が予定されていたが、発売直前になってフィットと変更になったという。(中略)フィッタがスウェーデン語で女性器を意味する言葉だったことが、スウェーデンホンダからの指摘により判明したため、といわれる。

という噂があり、海外ではFitの名も使わず、Jazzを名乗ることになったらしい。これまで、海外でたくさんのフィットを見かけたが、いずれもロゴはJazzであった。

 

しかしながら、である。

この時やって来たフィットには、「Jazz」ではなく「Fit」のエンブレムが光っていた。(ちなみに2代目以降、綴りが「FIT」と全て大文字になった。)

さらに右ハンドル。ロシアは右側通行であるにも関わらず。

 

これが示すことはただ一つ。この車は日本から輸入した中古車なのだ。

ウラジオストクに日本の中古車が多く輸出されているとは聞いていたが、実際に目の当たりにするとなかなか感慨深い。ウラジオストクは思った以上に日本と関係が深いのである。

 

 

閑話休題

小さなホンダフィットから出てきたのは、エド・ハリスを一回り大きくガチムチにしたみたいなコワモテのオッサンである。家で熊とか飼ってそうなロシア人を想像していただければ、だいたい正しい。

このオッサンを仮にイヴァン氏としよう。

 

颯爽と現れたイヴァン氏は片手を挙げて陽気に「ハロー!ナイストゥーミートゥー!」などと言いながら、のしのしと近づいてきた。

つい嬉しくなって「フィットだね!私も昔乗ってたよ!良い車だよね!」と英語で伝えたところ、怖そうな顔をポカンとさせて「ソーリー、英語はあまりわからないんだ」と英語で言いながら、太い腕で私のスーツケースを持ち上げ軽々とトランクに投げ入れた。

 

そしてイヴァン氏は無言で後部ドアを開けてくれたが、急に恥ずかしくなり、下を向いてそそくさと乗り込んだ。

 

イヴァン氏は、ドアを丁寧に閉めると「レッツゴー!」と(英語で)歌うように言い、アクセルを思い切り踏み込んでフィットを急発進させた。

交通量の多い街中なのに、なかなかジェントルな運転である(皮肉)。

 

有るか無きかの狭い隙間に猛スピードで突っ込み、強引な車線変更を繰り返すイヴァン氏。よく見ると、周りの運転も割と強引である。

不意に恐怖がこみ上げてきたが、後部座席にシートベルトが見当たらない。隙間に手を入れてゴソゴソ探っても見つからない。

わざわざ取り外したのか、仕様なのかはわからないが、ないもんはどうしようもない。腹をくくった。尻の穴がキュンとした。

 

まもなく高速道路に入り、エスカレートするイヴァン氏のドライビングテクニックが光る。

わずかな隙間を見つけては進路変更して車を追い越し、直線ではアクセルを奥まで踏み込む。

車線変更ではない。車線など関係なく、縦横無尽に走っているのだから。

 

縞々の軌跡を描いて流れていく景色。ふと、ハリウッド映画のカーチェイスを思い出した。

きっとこの車はフィット1.5ターボとかなのだろう。(※フィットにターボ仕様はありません。)

とにかく、私の知ってるフィットと違う。

 

「コレ事故るんじゃないの」と不安がよぎる。シートベルトなしでは、投げ出されて即死だ。

叫びそうになるのを堪え、スピードを感じないよう遠くの景色を見ることにする。

 

と、イヴァン氏が急にこちらを振り返り(前見て運転しろ)、「Do you have Japanese franc?」などと言い出した。

フラン?あの太いポッキーみたいなやつか?

怪訝な顔をしていると、どこからか硬貨を取り出して見せ(ハンドルちゃんと握ってくれ)、「1フラン持ってない?1フラン」などと言う。

あー、コインね、と理解して「ジャパニーズコイン?」と聞くと「ノー、フラン」と言う。

「コイン?」「フラン」のやり取りを何度か繰り返すと、イヴァン氏は「あー、いいや」という感じでプイと前を向いてしまった。

 

急に静かになった車内で、「フランってなんだよコインだろ」などと思っていると、イヴァン氏はロシア語で何事かボソボソと呟いた。面倒臭くなり、聞かなかったことにしていると、氏は急に「オー」などと言って笑っている。

そして、後部座席を振り向くと(いいから前向け)、持っていたスマホを私に見せた。そこにはGoogle翻訳のようなアプリが表示され、「Do you have Japanese coins?」と書いてあった。

 

・・・やっぱりコインじゃねえか。

先ほどの呟きは、翻訳アプリに音声入力をしていたのだろう。いや頼むから運転に専念してくれ。

 

「あるけど、スーツケースの中だから、今はないよ」と答えると「ふーん」みたいなことを言ってぷいっと前を向き、それきり話しかけてこなかった。持ってないと勘違いされたのかもしれない。

 

わざわざ話しかけることもないので、ウラジオストクの灰色の空を眺める。(スピードを感じないように)

ふと横を見ると「福山通運」と書かれたトラックが爆走している。これも日本からの中古車なのだろう。

急に日本が近づいて来たように感じた。

 

もう旅行も終わりだと思うと、急に寂しくなった。5日間、言葉が通じない中、一人で滞在するのは孤独でもあったが、自由と妙な充実感があった。センチメンタルな気持ち(と恐怖心)で窓の外の景色を眺めた。

 

そうしているうちに、イヴァン・フィット(1.5ターボ)は空港に到着した。

1181ルーブル、空港から市街地までのタクシー代(1500ルーブル)よりは多少安い。

 

イヴァン氏は「サンキュー」と言いながらニコニコとスーツケースを地面に置くと、さっさと運転席に戻ろうとしたので、慌てて呼び止めた。

ジャパニーズフランをイヴァン氏に渡さずに日本には帰れない。

スーツケースから、日本の硬貨を取り出し、どうぞと差し出す。それを見たイヴァン氏は、怖い顔をクシャクシャに崩して心底嬉しそうに笑い、色々な種類から迷わず1円硬貨だけを手にした。「50円玉とかいらない?穴空いてて珍しいよ」と言うと「いらない」と言う。その時教えてくれたのだが、世界中の1の硬貨を集めるのが趣味らしい。

ジャパニーズ・ワン・フランを手に入れ、ホクホク顔のイヴァン氏は、「アリガトウ」とスルリと運転席に乗り込むと、またもや猛スピードで走り去っていった。

 

これでウラジオストク旅行は終わりである。

まだ飛行機のチェックインが始まっていなかったので、空港の土産店で毛ガニを2杯買い(500ルーブル)、カフェでロシア名物ナポレオンケーキを食べて時間を潰した。

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(これがナポレオンケーキ。ミルフィーユをもっと脆くしたような感じでウマイ。)

 

 

ケーキをガツガツと食べ終わり、がらんとした空港の天井を見ていたら、じわじわと日本が恋しくなってきた。

帰ろう。帰って思う存分、日本語を話すのだ。

ウラジオストクであったアレコレを、夫に事細かに話して聞かせよう。

 

そうして、ルーブルを大量に残して帰国した。ロシアにまた行かなければ。

 

 

おまけ

そういえば、ウラジオストクでホンマもんのネオナチに遭遇した。遭遇したのはホテルヴェルサイユ前の通りで、観光客も多い地域である。

本人に確かめたわけではないので、実際はネオナチではないのかもしれないが、スキンヘッドに黒ずくめ、タトゥーの入った白人男性は、9割9分9厘クロではないか。

来た道を引き返すか迷ったが、いかにも避けたと思われて刺激するのも嫌なので、目を合わせないように足早に通り過ぎた。

何事もなかったのは幸いだった。もちろん、ネオナチの皆さんも見かける黄色人種全てに絡むほど暇ではないのだろうけども。

 

怖そうに見えて優しい人もたくさんいたが、ガチで怖い人もいるので要注意である。おそロシア

ウラジオストク(アエロエクスプレスに乗りたい編)

もう3ヶ月以上前なのだが、ウラジオストク旅行記を書き終わっていなかったので、今更ながら続きを書きたい。

 

 

ウラジオストク市街と空港とを結ぶアエロエクスプレスは、海沿いを走り、とても景色が良いという。

行きは乗れなかったので、帰りは絶対に乗りたいと思っていた。

 

が、結論から言えば、乗ることができなかった。

(これに乗るために、タクシーの運転手の魅力的なオファーも断ったというのに!)

 

 

要は駅を間違えたのである。

アエロエクスプレスは、あの有名なウラジオストク駅からは出ていない。にも関わらず、なんの疑いもなくウラジオストク駅に行き、たらい回しにされるうち、1日に5本しか走っていないアエロエクスプレスを逃したのだ。

 

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これ、この有名なシベリア鉄道の駅。ここからアエロエクスプレスは出ていないのだ。

 

この駅を背に右100メートルくらい、ロシア国鉄РЖДのマークが書いてある近代的な建物がアエロエクスプレスの駅である。

(ちなみに、ロシア国鉄のマークは、西側の方々はうっかりPLDと読みがちだが、無理矢理アルファベットにすればRJDである。)

 

従って、ここにはアエロエクスプレスの感想は書かず(というか書けない)、ロシア式たらい回しを恨みがましく書いてやろうという魂胆である。

(まあそういうロシアも好きなんだけども)

 

 

そして話は帰国前日に遡る。

 

慎重で注意深い(皮肉)私は、前日、念のためにアエロエクスプレスの時刻表を確認しようと、よりによってシベリア鉄道の駅に向かった。

(だってガイドブックに「アエロエクスプレスはウラジオストク駅発着」って書いてあったんだもん。まさかもう一つあるとは思わなかったんだもん。)

 

シベリア鉄道の駅に入るためには、コワモテのオッさんが監視する金属探知機を通らなければならない。緊張しながらも無事通過し、インフォメーション窓口を探した。

窓口は、待合室奥の階段でホーム階に降り、トイレを突っ切った先にある。「切符買って電車乗る前にウンコ済ましておけよ」と言わんばかりの造りである。

時刻表をもらうために、窓口のロシア美女に「ダーイチェパジャールスタ、ラスピサーニエ、アエロエクスプレス(アエロエクスプレスの時刻表ください)」と張り切って伝えた。事前に覚えていった表現が役に立ったのだ。

 

それを聞いたロシア美女は、露骨に嫌そうな顔をした。おまけに深いため息までついた。

それでも美女は、いかにも不本意だという顔で(まあそうだよね)目の前のPCを操作すると、何やら紙に書き込んだ。

そして、素っ気なく私に渡したものは、手書きの時刻表だった。

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まさかの手書きw印刷の時刻表ねえのかよwwと思った過去の私をぶん殴ってやりたい。

あの窓口美女は、自分の仕事でもないのに、別の駅から出ている電車の時刻表を、わざわざ調べてメモしてくれたのだ。

 

 

手書きの時刻表を入手し、すっかりそこがアエロエクスプレスの駅だと思い込んだ私は、翌日、余裕を持って30分前に駅に着いた。

アエロエクスプレスが発着しない駅に。

 

前日と同じように駅入り口の金属探知機を通ると、ピーピー、と耳障りな音がした。監視のオッさんが、人を殺せそうなほどの鋭い視線を送ってくる。

おどおどと体を探ると、ポケットから銀紙に包まれたチョコレートが出てきた。ホテルをチェックアウトする際、ホテルスタッフが「また来てね!」とくれたものだ。

Тэхэрэроとチョコレートを見せると、オッさんは怖い顔をくしゃっと崩して笑い、手をひらひらさせて「行け」といった。

 

そそくさと切符売り場に行くと、既に長蛇の列ができていた。最後尾のおばちゃんに「並んでますか」と手振りで伝えると、あちらに行けという素振りを返された。

そこで、素直に「あちら」へ行くと、そこにも切符売り場があり、先程よりは多少空いている。

そうして後ろに並んで順番を待ったが、5分経っても1人しか進まない。

発車時刻はどんどん近づいてくる。

指でトランクをコツコツ叩いてイライラしている振りをすると、前に並んでいた老婆が順番を譲ってくれた。スパシーバ。

 

そうして発車5分前に、やっと私の番が回って来た。

「ダーイチェパジャールスタ、カッサ、アエロエクスプレス」というと、切符売り場の女性は無慈悲に「ニェット」と言って上を指した。

 

その仕草でここでは切符を買えないと悟った私は、急いで上の階に上がり、窓口を見つけて「アエロエクスプレス!」と係員に叫んだ。

すると、係員は無下に「ニェット」と言って右を指した。

 

この窓口でもないと悟った私は、急いで右に向かい、窓口を見つけて「アエロエクスプレス!」と係員に叫んだ。

すると、またもや係員は無情にも「ニェット」と言い、今度は何やら英語の書かれた紙を差し出した。そこにはこんなことが書かれていた。

 

「ここはアエロエクスプレスの駅ではありません。アエロエクスプレスは、駅を出て右に100メートル行ったところにあります。」

 

この時点で発車1分前。もう間に合わない。

 

力なく「スパシーバ」と答え、重いトランクを引きずって外へ出た。

バス停の方へふらふらと向かったが、空港へ向かうバスを探すのも億劫だった。

 

(うん、ていうか最初のロシア美女があの英語の紙を見せてくれたらアエロエクスプレス乗れたよね。)

 

次回ウラジオストク最終回、Gett編に続く。

台風の過ぎた広州で、おいしい飲茶が食べたい。(蓮香樓)

台風の翌朝、腹が減って腹が減って辛抱たまらなかった我々は、いそいそと広州酒家に向かった。

 

広州といえば広州酒家、3大酒家のひとつでもある。

来る前から絶対ここに来ようと心に決めており、旅行初日にも行こうとしたのだが、文昌南路本店は結婚式で貸切、他の支店も満員で入れなかったのだ。

 

前日、停電で晩飯を食い損ね、食欲の亡者となった我々の、腹も心も満たしてくれるのは広州酒家以外にない。そうだ、広州酒家行こう。

 

と、胃袋が完全に広州酒家になっていたのだが、店に着いてみると中は真っ暗である。

よく見ると「台風のため、12時から開店します」といった内容の素っ気ない貼り紙があった。

ガッデム!こちとら十二指腸の先まで広州酒家だったんだよ!と地団駄踏んでも仕方がない。

どうしようかと回りを見ると、緑地に赤の景気の良い看板が目に飛び込んできた。

 

 

広州蓮香樓である。本当にこんな感じの看板である。(写真撮ってなくてな)

香港で行った蓮香居に勝手に姉妹店を名乗られ、争った挙句に認めさせられた「蓮香樓」の親玉である。

香港の蓮香居はうまかった。腹も減っている。ゴーではないか?ゴーだろう。

 

派手な土産店の2階が飲茶店である。空いている席を見つけて座り、いざ飲茶。

 

 

上汤净云呑、白灼靓菜心

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最初に来たのはエビワンタンとガイランである。 ワンタンはぬるく、ややぼやけた味だが悪くはない。

ガイランはヘルシーな食事のように見せるためのものである。下手をすると動物のエサになるのだが、サラサラのオイスターソースをかけただけで気が利いた料理になるのは感心する。

 

冻双皮奶
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冷たい牛乳プリン、温かいのもある。牛乳を卵の白身で固めたものらしいのだが、意外なことにねっとり、もちもちした食感である。初めて食べたこともあり、これが普通なのか判断できない。これはもう少し研究を重ねなければなるまい(気に入っただけ)。

 

一品小笼包
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小籠包。台湾のものと違って、中にスープが入っていないのが良い。私は猫舌なので、あのアツアツのスープが入った小籠包が苦手である。ぬるくなってからでないと食べられないので、今ひとつ盛り上がらない。アイスを溶かして飲むようなものである。

 

笼仔马拉糕
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香港の蓮香居のマーラーカオはとてもおいしかったので期待していたのだが、マーガリン臭く、期待外れだった。なぜマーラーカオにマーガリンを使う必要があるのか。トランス脂肪酸タップリ、ポリプロピレンの袋に入れて「マーラーカオ」などと印刷し、コンビニに売っていそうな味である。

腹減ってたからガツガツ食ったけどな。

 

 

蚝皇腐皮卷
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湯葉の中に黄ニラやキクラゲを包んで揚げて、オイスターソースをかけて蒸してある。こってりはしているのだが、黄ニラの香りが良く、モダンな味がした。蓮香樓に行ったら食べるべし。

 

韭王鲜虾肠
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デフォルトのエビ腸粉である。皮が少し乾燥しているのだが、まあ腸粉なりにはおいしい。

 

 

さて、油っこい料理を食べ、普洱茶を飲むと決まってやってくるのが便意である。

そそくさと洗手間に入ると、紙は個室の外に設置されたロールから必要な分を巻き取っていくタイプであった。

女子トイレのペーパーホルダーが空だったので、男子トイレのペーパーホルダーから頂こうと思ったが、こちらも空だった。(躊躇なく男子トイレに入るあたりがオバタリアン予備軍だ、と今思った。)

 

仕方なくトイレを出、近くにいた店員に「トイレット、ノーペーパー」と連呼。店員は指2本を立て、中国語で何か言っていたのだが、「紙は有料だよ、2元ね」と言ったのだと理解した。伝票に紙代を追加してもらってゲットしたのが、蓮香樓特製便所紙である。

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(動揺してブレた。)

 

中には25cm四方の厚手の紙が入っており、拭き心地も悪くない。

 

間違いなく水に流せないので、日本のトイレでは使えない。かといって、鼻を噛むのには厚すぎるし、便所紙で汗とか拭くのもなぁ。

まだ数枚残っているのだが、なんとなく使い道に困っている。捨てるのもなぁ。

台風22号在広州

フィリピンで死者を出し、香港を通って広東省に再上陸した台風22号には、報道されていたほどの勢力は残っていなかった。広州市街では風も拍子抜けなくらいで、実際、純粋に台風による被害はそれほどなかったようである。

純粋に、台風だけによる被害は。

 

問題は、台風通過後に起きた。

午後6時、風が収まった後も雨はむしろ強まり、まさにバケツをひっくり返したような様相を呈している。それを見ながらバルコニーで煙草を吸っていた夫が、血相を変えて私を呼ぶ。

ホテル正面の道路に、濁った水が大量に流れこんできたのである。

 

水位の上昇は早く、あっ、と思ううちに建物の1階部分まで浸水した。

我々のホテルは沙面島の北側にあり、すぐ目の前に用水路が流れている。それが氾濫したのか、それとも排水溝が閉塞したのか、詳細はわからない。

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男性が、膝のすぐ下まで水に浸かりながら歩いてくる。しばらく携帯電話で何かを怒鳴っていたが、やがて近くの建物に入っていった。

浸水前から路上駐車していたSUVはバンパーまで水が達して、電気系統が故障したらしくヘッドランプがつきっぱなしである。

 

呆気に取られて見ていると、突然、近くの街路樹が軋むような音を響かせて倒れ、向かいの建物に覆い被さった。元はホテルの屋上に届くほどの大木である。木の根ごとひっくり返って歩道の葺石が持ち上がり、そこだけ水面から顔を出していた。

 

本当は台風が過ぎたら夕食を食べに出ようと思っていたのだが、さすがに危険を感じ、ルームサービスを取ることに決めた。

メニューを決めてフロントに電話をすると、インスタントラーメンが一つしかないと言う。仕方がないのでそれを持ってきてもらい、電気ポットに水を入れたところで突然真っ暗になった。

 

遂に停電したのだ。夜8時過ぎのことである。

通り向こうの建物は、コウコウと灯りがともっており、停電したのは沙面島だけなのだろう。冷房が必要ないくらいに気温が低かったことだけは幸いだった。

 

その後、装備を整えた人々が通りに集まってきて、大声で会話しながらパトロールを始めたが、我々には何を言っているのかわからない。

良くなりそうなのか、それとも打つ手がないのか、先が読めず、不安が募る。

 

9時になり、10時を過ぎても復旧する様子はない。空腹を抱え、言葉もいまいち通じない外国で、辺りが水没した真っ暗なホテルにいると、とても気が滅入った。

帰国予定は翌日だった。おそらく飛行機が飛ばないことはないだろう。しかし、空港に行くためには、スーツケースを担いで水没した道路を徒歩で抜けなければならない。水は濁っており、いかにも不衛生な感じがした。

 

深夜0時、何か対策を打ったらしく、少しずつ水位が下がってきた。

そして、午前4時過ぎには完全に水が引いた。ひとまず水に浸からなくても済んだのだ。

 

ほっとして、うとうとしていると、突然瞼の外が明るくなった。電気が復旧し、スイッチを入れたままだった照明がついたのである。

時計をみると、朝6時40分であった。

 

ほっとするより先に、腹が減った。

いそいそとシャワーを浴び、準備を整え、朝食、兼昨夜の夕食を取りに外に出た。

 

天気は曇ながら、いつのまにか蒸し暑さが戻っていた。

人々は、ぐっしょりと水を吸った荷物を運び出したり、モップで床を掃除したり、忙しそうに動き回っていた。

 

街には、開放感と妙な活気があった。

それを見て、私は初めてほっと一息ついた。

 

続く。

台風迫る広州で、おいしい飲茶が食べたい。(西關粤)

広州に旅行に来ている。ナウ現在、台風22号が我々の上を通過中である。

 

本当であれば、広州酒家で飲茶を食べたり、本場の牛乳プリンを食べたり、色々やりたいことはあったのだが、22号はやたらに強いらしい。

フィリピン通過時よりは勢力が弱まったとはいえ、下手に遠くまで行って帰れなくなるのも嫌なので、昼飯は宿泊しているGuangdong Victory Hotel(广东胜利宾馆)に入っているレストラン「西關粤」でいただいた。

 

ホテルに缶詰状態、何しろヒマである。

ヒマつぶしに食べたものでも書いていこう。

 

菊普茶(10RMB=163円)

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菊普茶は、プーアル茶に菊茶を混ぜたもので、プーアル茶よりも華やかでキャッチーな味である。とはいえ、プーアル茶も入っているので、これを飲んで中華料理を食べると、必ずと言っていいほど催す。華やかでキャッチーな快便茶である。

 

一緒に写っているのは注文用紙。食べたいものの横に欲しい個数を書き、店員に渡すと、チェックマークが書かれて返ってくる。そして、料理が届くとそこにハンコが押されるという、合理的なシステムである。こういうところは、さすが中国の飲茶店だ。

 

白灼时蔬菜(20RMB=326JPY)

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要は茹でたガイランである(多分)。写真ではわかりづらいが、菜っ葉が5層ほど積み重なっており、香港などで出てくるものの2、3倍のボリュームがある。

それなりに脂は使われているのだが、緑色の野菜というだけで何なヘルシーな食事のような錯覚が起き、「ヘルシーな野菜を食べたから、あとは何を食べても太らないよね?」などと思い込んで楽しく食事ができる。

 

韭黄鮮虾肠(30RMB=490JPY)

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みんな大好き腸粉、香りの良い黄ニラと、ゴリっとしたエビが入っている。皮の部分は、作ってからやや時間が経ったような感じで、もう少しプリッとしていて欲しい気はするが、まあおいしい。タレがあまり甘くない。

 

芙蓉煎裹蒸粽(25RMB=408JPY)
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メニューの粽の字でチマキと勘違いして注文すると、予想もしていなかったビジュアルのものが出てきた。ベタッ、ボソッとした中国風のごはんを固めて、すり下ろした芋?のようなモサモサした衣をつけて、たっぷりの油で焼いた食べ物である。なんとなく、漢方薬問屋に20mくらいまで近づいた時のような独特の中華風の香りがする。

まあここに書いてある通りの味である。

 

金沙奶皇包(19RMB=310JPY)
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中華まんの皮の中に卵の黄身に砂糖だのバターだのを混ぜたものが入っており、熱々トロトロでおいしいので、飲茶に行くと絶対食べる私の好物。「カスタードまん」などと説明されることもあるが、コーンスターチや牛乳で卵黄が薄められたカスタードクリームとは似て非なる、卵臭いデザートである。

ここの金沙包は、皮はずっしり系、中身はゴリゴリの甘さで、食いでがあって良い。

 

蟹子干蒸皇(31RMB=506JPY)
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蟹子と銘打っているが、蟹子よりも豚肉の存在感が強い。ミンチではなく、ごつごつとした肉の塊をどうにかして焼売の形に作り上げてある。しかし、全く臭みはなく、あまり肉が得意でない私でもおいしく食べられる。

 

そろそろ風も弱くなってきたので、夜はホテルの外に出たいと思う。

(1JPY=16.3RMB、2018/9/16現在)

京都でおいしい和食が食べたい(精進料理 阿じろ)

京都といえば、寺である。

本当は嵐山まで行くつもりだったのだが、朝寝坊したため広隆寺までしか行けなかった。

高校時代に日本史を取った人なら、広隆寺といえば「半跏思惟像シルエットクイズ」を思い出すだろう。菩薩像の頭にお団子がある方が中宮寺(奈良)の半跏思惟像で、お団子じゃない方が広隆寺の半跏思惟像である。

 

すっとした色気のある半跏思惟像に満足したところで、わざわざ妙心寺近くまで移動し、精進料理を食べてきた。

京夕け 善哉に引き続き、とても美味しかったので写真とともに自慢したい。

 

 

精進料理 阿じろ 本店

立派な門をくぐり、ベルを鳴らすと、どこからともなく仲居さんが現れた。靴を脱ぎ、迷路のような廊下を歩いて案内されたのは、取調室のような雰囲気の個室であった。

 

精進料理というと、何かストイックなもの、その結果味気なく腹が膨れないものを想像してしまうのだが、「阿じろ」の料理は全体的にしっかりとした味で、通常の和食よりも砂糖や油をガッツリ使っており、かなりの満足感がある。

快楽的に美味で「この生臭坊主」と言いたくなる(褒め言葉)。

 

それでは、各々の料理を説明しよう。

今回は昼6,000円のコースで、最初に梅湯と食前酒が出されるのだが、写真を撮り忘れた。

食前酒のおかげで、すっかり日本酒の口になってしまったので、2合注文。おいしかったのだが、銘柄は不明。

 

最初に出された料理は、イチジクを甘く煮たものに、生クリームのようなものをかけ、カリカリにローストしたアーモンドスライスを乗せたものである。

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生クリームは使えないはずなので、豆乳と何か油の強いもの(白ゴマとかクルミとか)を混ぜたものではないかと思う。

アーモンドが熱々で香ばしく、洋風のデザートを思わせる味であった。

 

2番目は、湯葉で千切りのキクラゲと百合根を包んだもの。
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本当に動物性のものを使っていないのか?と疑うほど、しっかりと濃いダシ味。甘みを感じない程度に、微量の砂糖を加えているのかもしれない。使っている食材から想像されるよりも、「食べたっていう感じ」がある。

 

3番目は胡麻豆腐。
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おいしいはおいしいのだが、たっぷりかけられた醤油が邪魔。全てが醤油味になってしまい、胡麻豆腐好きとしては「余計なことしやがって」と、残念に思う。

 

4番目は八寸、上から時計回りに栗の甘露煮を小麦粉の生地で包んで揚げたもの、お茶の佃煮、ウイキョウ?の辛子和え、蒟蒻の白和えである。
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白和えが甘くておいしい。栗の揚げたものは微妙。

 

次はそうめん、上にはミニトマトとすりおろしたオクラ。
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すりおろしたオクラのトゥルトゥル感が、そうめんのチュルチュル感と相まってトゥルントゥルンでチュルンチュルンである。家でも是非真似したい。

 

田楽(蓮根、生麩、大根)

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どれも油で揚げてあるので、腹にズシっとくる。大根はあらかじめダシ味で煮含めてあり、表面カリカリ中じゅわーのキャッチーな食感。もうひとつ食べたい。

 

焼き湯葉と、写真では隠れているが、下にキュウリの酢の物
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キュウリは種の部分を取り除いた上で薄切りにしており、青臭さがなく上品。確かに種を取らないと、コース全体とバランスが取れない気がする。

 

お茶漬け
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京都といえばぶぶ漬け。「ぶぶ漬けいかがどすか?」などと聞かれたわけではないので、おいしくいただいた。

 


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おこげの入ったお湯。椀の中の茶色いものがおこげ。風味付けなので、それ自体はおいしいものではない。

 

水物(梨とぶどう)
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ぶどうは皮が剥いてある!梨の品種がよくわからない。

 

デザート(葛餅)と抹茶
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葛餅には小豆が入っている。ふわふわトロトロ、ふた口で食べ終えてしまって、もう少し食べたい感じがした。

 

 

ところで、阿じろでは、我々が食べ終わると同時、恐ろしくピッタリのタイミングで仲居さんが食器を下げに来た。

あまりにピッタリなので、監視カメラでもあるのではないかなどと話していると、次からは少し時間を置いて下げに来るようになった。

やはり監視カメラか・・・(という妄想である)。

 

 

おまけ

帰りの新幹線では、伊勢丹で買ったお弁当をば。

和久傳の鯛ちらし。見た目ほど鯛がペラペラでなくて良い感じ。
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京都でおいしい和食が食べたい(京夕け 善哉)

独身の頃、旅行だ出張だ、と何かと京都に行っていたくせに、京都でちゃんとした和食を食べたことがなかった。

理由は単純、和食に興味がなかったためである。何やら奥深い世界が広がっているのかもしれないが、自分の国の料理なんて面白くないよね、となんとなく後回しにしていた。とにかく、教養のない私にとっては和食というだけで、珍しくもないモノを尤もらしく有り難がるような面倒臭いイメージがあったのだ。

 

そもそも、食べることにそこまで執着がない。かといってまずいものも食べたくないので、京都では適当に鰊そばでも啜るか(まあ鰊そばも和食といえば和食なのだが)、下手をすると京都駅前のマクドナルドでイモを食んで腹を満たしていた。とりあえず腹が満たされれば満足する人間にとって、フルコースの和食は値段も敷居も高すぎる。

 

そんな訳で、9月頭に京都に行った時も和食のワの字も浮かばなかったのだが、夫が何やら和食の店を調べて予約を入れてくれていた。まあ不味かったら夫に全部食わせようという失礼なノリでついて行った。

 

店は、夜に「京夕け 善哉」と、翌日昼に精進料理「阿じろ」。

結論から言えば、非常に美味であった。西を向き、京都の料理人たちに向かって土下座をしながらこれを書いている(誇張)。京都様すみません、無形文化遺産様ごめんなさい。

 

そういえば、関西の食べ物は薄味で有名だし、私の経験上、京都市内はそこらでテキトーに食べても、やたら洗練されたものが出てくる。不味い店は、光の速さで淘汰されるであろう。そんな土地で出される和食が、まずいわけがないじゃないか。考えなくてもわかることだ。

 

というわけで、まずは「善哉」で食べたものを写真とともに自慢したい。

 

 

京夕け 善哉(よきかな)

京美人の女将が、ザックリした感じでもてなしてくれる素敵料理店。落ち着いた雰囲気で、観光客よりも地元の人が多い感じがした。

今回は10,000円のコース也。出汁味強めなのが好みである。

 

席に通されたら、とりあえず日本酒。

店名と同じ「善き哉あ」(福島県 名倉山酒造)を2合。

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冷酒を頼むと氷でギチギチに冷やしてくれるのが心憎い。

しっかり濃く甘く、重めの味なので、後の方に頼めば良かったと思いつつ、おいしいはおいしい。ぐびぐびっと喉を潤す。

 

先付、山芋豆腐。上にはイクラオクラ。

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葛か何かで山芋を寄せたもので、シャクシャクとした食感でサッパリといただける。すりおろしたオクラのチュルチュル感と、イクラのプチプチ感が楽しく、ペロリと食べてしまった。

 

八寸、左上から時計回りに、菊菜のおひたし、秋刀魚の押し寿司、熊本の新銀杏、蛸の卵、中央はきぬかつぎ。

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本来は鮑がつくが、貝類が苦手のため、代わりに蛸の卵になっている。

秋刀魚の押し寿司が上品で、銀杏がパツパツとして美味。

 

ここで日本酒2本目。京都は伏見の金鵄正宗を2合。

繊細ですっきり、たおやめ系の味である。こっちを先に飲むのが正解であった。

 

椀物、「月とスッポン」
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丸い玉子豆腐様のものの中に刻んだ肉が入っている。肉は、名前の通りスッポンのものだと思うのだが、何しろスッポンを食べたことがないのでわからない。

出汁が柔らかく、舌に優しい。

 

向付、剣先烏賊、マグロ、明石のタイのお造り。写真を撮り忘れたがタイが美味。

 

炊き合わせ、山科茄子と鰊
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京都らしい一皿。鰊っていいよなぁ。

 

ここで日本酒3本目、同じく伏見の酒味有甘酸。月の桂のプライベートブランドとのこと。

メニューに焼物に合うと書かれた通り、すっきりとしているが、食事に負けない旨みの強い味。

 

焼物、カマスの杉板焼き
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カマスに杉板の香りが移り、まことに香ばしい。添え物の茶豆がまたパリパリで酒が進む。

杉板は、ようく噛んでいただきました(冗談)。

 

口取、イチジクと栗の渋皮煮
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すぅっと冷たい優しい甘み。渋皮煮も品のいいお味。脇役ながら、この渋皮煮をもっと食べたい、と私は思った。

 

止め鍋、ハモの鍋物
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写真では見づらいが、山椒の実が浮いており、これがとても良い仕事をしている。薄味の汁にピリリと山椒が香り、クラシックに洒落ている。

 

御飯物、蛸ご飯、生麩の味噌汁、胡瓜と茄子の糠漬け
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ご飯も味噌汁もおいしかったのだが、特筆すべきは糠漬け。

もともと漬物は苦手なのだが、糠漬けは野菜の味が残っていて、臭みもなく、おいしかった。おかわりまでしてしまった。

6時間だけ糠に漬けて取り出しているとのことで、コアな漬物好きには物足りないかもしれない。

 

水物、かき氷
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10種類程度もあるトッピングの中から、好きなだけ選んで乗せることができる。

今回は麹の甘酒と、生姜飴。我ながら全く地味な組み合わせを選んだものだが、味は良い。

 

ちなみに、女将曰く「ウチの料理インスタ映えしないで有名なんですよ。」

シンプルで美しいと思いますがねぇ。

京都に行ったら、またぜひとも伺いたい店である。

 

「阿じろ」編に続く。